南極で巨大氷山誕生へ、ハワイの島1つ分「1600平方キロ」

南極・ブラント棚氷の巨大な氷の壁(antantarctic / shutterstock.com)

南極のブラント棚氷では、数年前から不吉な亀裂の広がりが観測されてきたが、間もなく氷の分離が起こりそうだ。ハワイ諸島の一つ島ほどの大きさの、巨大氷山がいつ誕生しても不思議ではない状況だ。

英リーズ大学の極地観測モデリングセンターは先日、ブラント棚氷の2つの亀裂のChasm-1とHalloween Crackの模様を収めた動画を公開した。6月初旬の時点で2つの亀裂の間の距離は、わずか5キロメートルになっていた。亀裂がつながれば巨大氷山が生まれることになる。

新たに誕生する氷山の面積は約1594平方キロで、ハワイ諸島のカウアイ島(1430平方キロ)より大きく、マウイ島(1884平方キロ)よりもやや小さいサイズだ。

ブラント棚氷は南極大陸から海にせり出す位置にあり、研究者らは以前からこの棚氷の動向を注意深く観測してきた。英国の南極研究所はブラント棚氷の分離に備え、数年前に現地のハリー研究基地を移動させていた。

南極で巨大氷山が生まれるのは珍しいことではない。2017年のラーセンC棚氷の分離では、約5800平方キロの氷山が生まれた。しかし、ブラント棚氷においては過去最大の分離が発生しようとしている。

棚氷の分離の背景には気候変動の影響が指摘されている。ノーザンブリア大学の研究チームは、ブラント棚氷の分離は氷が巨大化し過ぎ、重みを支えきれなくなった結果だとしているが、地球全体の平均気温の上昇が、これらのプロセスを加速させていることに疑いはない。

研究者らは今、新たに生まれる巨大氷山の動きに神経を尖らせている。巨大氷山によって、さらなる海面上昇が引き起こされる可能性がある。

編集=上田裕資

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