年金や資金調達を考える時に必要な「逆算」の考えは、夏休みの宿題から学べる

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夏休みの宿題はいい練習機会

大人になって、将来から逆算することが重要になってくる例を2つ紹介した。幼少期から逆算の習慣を身に付けることが重要ではあるものの、非常に難しい。そのようななかで、少し先の話ではあるが、夏休みの宿題は非常にいい練習機会になり得る。

筆者が幼少期の頃を振り返れば、夏休みの終盤の数日で一気にやっていた記憶があるため、あまり偉そうなことはいえないのだが、苦い経験をして自省したからこそいまの子ども達には筆者の二の轍を踏まないように聞いて欲しい。

夏休みはだいたい1か月半ぐらいある。この期間の中で1学期の終わりに与えられた宿題を消化していくのだが、夏休みというビッグイベントに舞い上がっていると、夏休みが終わる最終週に地獄をみることになる。そこで、まず与えられた量を休みの日数で割り算してみることをお勧めする。そうすると、毎日やると1日当たりに消化しなくてはいけない量が意外と少ないことに気付くだろう。

計算が終わったら、今度は壁やタンスに夏休み期間のカレンダーを貼る。そこに1日あたりの必要消化量を書き込んでいく。当然、旅行に行ったりする期間は出来ないので、その間は空欄でいい。しかし、その他の日に2日分だったり、3日分だったりとまとめた量を記入していく。一通り消化量が書き込めたら完成だ。あとは毎日実際に出来た分を書き込んでいき、差分が生じたら調整をしていく。

大人でもそうだが、予定通りに完璧に出来る人は少ないだろう。しかし、期限までに必要な消化量が可視化されていることが重要なのだ。今日は予定より早く終わって時間があるから、明日の予定分もやってしまおう。または、今日は気分が乗らないから途中で切り上げて、明日にまとめてやろう。このように柔軟性をもっていいので、将来から逆算して可視化していく習慣を幼少期から身に付けることが重要なのだ。

連載:0歳からの「お金の話」
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文=森永康平

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