ドイツに出現の「謎のクレーター」、74年前の不発弾が原因

Norman Posselt / Getty Images

ドイツ中部に位置するヘッセン州リンブルクで6月24日、爆音と共に揺れが発生し、近くの大麦畑で直径10メートル、深さ4メートルのクレーターが発見された。
 
警察の捜査ではその原因は特定できなかったが、軍事専門家が確認した結果、第2次世界大戦で投下された250キログラムの航空爆弾である可能性が高いという。この爆弾は一定の時間が過ぎると化学反応によって爆発する仕組みだった。
 
爆弾は74年間も地面に埋まっていたことにより腐食し、化学反応が起きて爆発したと見られる。幸いけが人はいなかった。
 
ドイツでは、爆発する可能性が残っている不発弾が毎年数千の単位で発見されている。第2次大戦中に連合国軍が落とした爆弾の15~20%が不発に終わったと見られている。
 
爆弾は柔らかい土に落とされ、起爆しなかった場合に不発弾となる。第2次世界大戦中には、推定で13億キログラムに及ぶ爆弾がヨーロッパに投下された。ベトナム戦争で使われた爆薬の1兆2700億キロと比べると見劣りするが、それでも大量だ。
 
2006年、地理学者のJoseph HupyとRandy Schaetzelが、爆弾によってできたクレーターの地質学的特徴を表す「bombturbation」という言葉を作った。この用語は、爆発物によって大幅な侵食が起き、地球の化石記録にそれとわかる痕跡を残すことを表している。

編集=上田裕資

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