自動化を活用した循環型農業 食品安全を大きく改善へ

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「イーデンワークスは、微生物学をよりうまく活用することで食品安全を改善した。私たちは殺菌剤などの化学薬品を使用せずに、かんがいの水から大腸菌を消すことに成功した。当社は大腸菌が好む条件や好まない条件、また有益な微生物が繁栄し、資源を巡って大腸菌と争う条件を理解することで、大腸菌の増殖に微生物学レベルで構造的抵抗力がある農園を設計した」(グリーン)

イーデンワークスは、水中と土壌の両方を含むシステム全体で週3回大腸菌検査をしている。これは、規制基準となっている年5回を超えるものだ。イーデンワークスの大腸菌の検出レベルは18カ月以上ゼロを記録し、検査結果は独立研究所の試験で検証されている。グリーンは次のように述べた。

「病原体は、気温が約4.5度を超えると急速に発達する。そのため、収穫や洗浄、乾燥、包装、出荷は全て4.5度以下で行われるのが理想だ。こうしたステップの数々が冷蔵状態で行われることは、コールドチェーン(低温流通体系)として知られている。畑を使った農場では、畑での収穫から製品洗浄までの間、冷蔵状態に維持することができないが、屋内栽培業者である当社ではそれができる。製品が顧客に届けられるまでの間で全て、コールドチェーンを維持できるのだ」

グリーンはまた、イーデンワークスが自動化を基盤にしていると述べた。病原菌を媒介・運搬する人間の作業者は、屋内農場にとって食品安全の最大の脅威となる。同社は種まきから包装までの全ステップで自動化システムを開発したため、人が製品に触れる必要が全くない。

翻訳・編集=出田静

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