キャリア・教育

2019.07.05 06:00

軽井沢の小さなグローバル学校を生んだ「意思ある楽観力」

ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事 小林りん


──今後の目標はありますか。
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学校をつくっているうちに、「この学校が成功したら、日本の教育が変わるんじゃないか」という期待を持っている方がたくさんいるとわかりました。ものすごい数の見学者がいらっしゃるんです。受験希望だけでなく、各地や全国の教育委員会、教育関係者、私学関係者など。たくさんの教育関係者が面白い台風の目、変化の兆しとして見てくださっています。

校内では、生徒たちがより自由に在校中から好きなことに打ち込み、変革を起こせるような環境を整備したいと思っています。学校外では、教育の選択肢が少ない日本の教育界で、新しいチャレンジをするアントレプレナーを支援したいと思い、アクセラレータ・プログラムを4月に立ち上げました。地方自治体や学校の先生、NPO団体や大学のプロジェクトを支援しています。

──小林さんが「自分らしく」夢を追い続けることができたのはなぜでしょうか。
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私は社会がこうあれ、こうしろ、というのは気にせずに生きてきました。学校を設立するまで、4回も仕事を変えました。5回目になるとさすがに、周りから心配されました。でも、「自分が何をしていたら一番わくわくどきどきするのか」「どんな憤りが根底にあるのか」を問い続け、それから逃げて来なかった。それの結末がここだったと思います。

自分らしさとは、自由奔放に何をやってもいいということではありません。自分の情熱を本当に傾けられるものと社会が求めているもの、そして自分の強みが合わさることが重要です。

それはすぐに見つかるとは限りません。私の場合は何年もかけて、何回も転職してようやくたどり着きました。だから若い人も焦る必要はないと思います。人生100年時代。焦らなくていいけど、自分の内なる声と本当に得意なもの、社会のニーズの接点に耳をすまし、目を見開く。それが自分らしい人生を生きるために必要だと思います。


小林 りん(こばやし・りん)◎ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事。1998年に東京大学経済学部卒業後、モルガン・スタンレーに入社。スタートアップ、国際協力銀行(JBIC)を経て、2005年スタンフォード大学国際教育政策学修士を取得。国連児童基金(UNICEF)職員としてフィリピンに駐在し、ストリートチルドレンの非公式教育に携わる。2007年に発起人代表の谷家衛氏と出会う。2014年に現在の学校の前身となるISAKを開校した。世界経済フォーラムの2012年度「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選ばれる。イエール・ワールド・フェロー2017など。

構成=成相通子 イラストレーション=Willa Gebbie

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