サラリーマンの海外移住 書類では「国への貢献」が審査される

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海外企業への転職となると、真っ先に「英語」を思い浮かべる人が多い。職種にもよるが、前述した需要と供給、そして自らの希少性という全体の構図に矛盾が生じないことが何よりも大切だ。どんなに完璧な英語を話そうと、移住したい社会に需要がなければ全くもって意味がない。

ちなみに、雇用主が採用活動を行ううえでの負担は、スウェーデン国内→EU域内→EU域外の順に増していく。端的に言えば、EU域外からの採用は「手続きが面倒」だからだ。この面倒な手続きをさせてでも採用したいと思わせるだけの光る何かが言葉よりも大切なのである。

忘れてはならないのは、移住先の国に貢献したいという気持ち。この気持ちが強ければ強いほど移住後の生活も楽しくなる。日本が嫌だからとりあえず出たい、というようなふわっとした気持ちのまま海外生活を始めると、すぐにネガティブな方向へと気持ちが動き出す。

最悪の場合、移住後数カ月で日本へ戻ることにもなりかねない。雇う側の立場としては、通常よりも余分なコストと時間をかける採用プロセスとなるだけに、これだけは避けたいのだ。相手が何を望み、何を不安に思うのかをよく考えながら、海外企業にアプローチをしていくとよいだろう。

連載:スウェーデン移住エンジニアのライフ&ワーク
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文=吉澤智哉

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