経営者自ら現場の声を聞き続ける
──新しい事業に挑まれている樋口さんですが、リーダーとして組織をまとめるために、行動や振る舞いなどでどのようなことを意識されていらっしゃいますか?
現場の声を聞くことです。日本の企業が伸び悩む1つの理由として、経営者が現場を知らないことが原因だと思います。
例えば小さな話ですが、仕事上タクシーに乗るとSuicaが使えないタクシーが時々あります。毎回「Suicaは使えないですか?」と聞きます。すると、運転手さんから「経営者には伝えているんですが使えるようにならなくて」といった返答がきます。「なぜ経営者の方は使えるようにしないんですかね?」とさらに質問すると、「いや、予算の問題みたいで」と。要するに、経営者が現場にいないので、それがどれだけの要望なのかがわかっていないのだと思います。このようなことは現場に出ていかなければわかりません。
そうした想いから、CSの現場には自分自身も参加して、週1回は不動産をご購入いただいたお客様に会いに行くようにしています。当然、フィードバックも直接お受けするわけです。「ここは駄目だ」「ここはサービスがなってない」など。しかし、自分が行ってみて聞く声と、第三者を通して聞く声は全く違うので非常に参考になります。
お客様がどれだけの想いで言っているのか、表情やトーンなども含めてわかります。そうした子細な部分まで正確に把握をしたいので、今でもCSは私の重要な仕事だと考えております。