ビジネス

2019.07.13

タクシー内でのアド・ハラスメントとの戦い

Hunter Skipworth / Getty Images

仕事柄、タクシーをよく使うのだけれども、昨今のタクシーは飛行機のように座席にディスプレイが付いていてCMが流れる。このCMがわりとヒドイ。というか、かなりヒドイのだ。

なぜかタクシー内のCMは、パワハラや不安を煽るもの、仕事場や上司をこき下ろすものが多い。

外国人の芸人を野人扱いしてたり、外見をネタにしたり、上司や先輩をバカにしたり、パワハラしたり…そんなCMがやたらと多い。TVのような倫理審査規程がないのか、わりとやりたい放題だ。

仕事の合間の移動時間に、気分をひたすらダウンさせるものが流れ続けるのは、地味に辛い。最近は問答無用で、オフにしてCMを一切みることを拒否している。それですら、毎回オフにするのが地味にしんどい。

個人的にこういうものを「アド・ハラスメント」と呼んでいるのだけど、最近このような広告が、公共空間に増えてきているように思える。

人間の脳は、不快や不安に強く反応する。だから、注目を集めるために不安を使いたいという人々は、常に一定数現れる。でも、そのお金の稼ぎ方で本当にいいの? と思うのだ。メディアから広告からあらゆる人が、不安、不快を強く押し出していくせいで、世の中がどんどんネガティブになってきているように思える。

普通にタクシーにのっているとき、仕事と仕事の合間にポジティヴな気分になりたいのだ。パワハラを延々と見させられても、その会社の商品を好きになったりしないし、タクシーの品格が下がるだけだと思う。タクシー体験をもうちょっとホッコリさせて欲しい。

セクハラ、パワハラ、モラハラなどの流れで、アドハラが問題になってくれるといいなぁと思いつつ…アドはメディアの収入源なんで、みんな社会問題にはしたくないだろうなぁ…それでも、社会をネガティヴにしてお金を稼いでも、世の中よくならないので、やっぱりポジティヴにビジネスをして欲しい。

アドハラお断りタグをつけてたら、そういう広告が流れないような社会設計が欲しいなぁと思う。そんなわけで、相対的に平和なCMを流すビズリーチの株が自分の中で上がるという、風が吹けば蝶々が台風的なカオス理論状態だ。

タクシー広告をポジティヴにする、良いアイデアあったらみんな教えてください。

たとえばこういうのが欲しい

たとえば「いまさら聞けないビジネス用語講座」が50パターンぐらいで流れる。そのあとに、経済を学ぶなら○○新聞! みたいな締めで終わるなど、そういうのが素敵です。

(6月3日note掲載の記事に加筆修正)

文=深津貴之

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