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2019.07.02

3万社突破、累計配信52万本。PR TIMESが変えたプレスリリースのあり方


同社によると、月間アクセス数は2019年3月に1965万PVを記録。2019年4月に配信した月間のプレスリリースの本数は1万3260本となった。いずれも過去最高を更新したという。

担当者はこう語る。「この10年ほどの間、情報接触の仕方が変わってきました。スマホシフト、SNSの浸透で、企業の一次情報にも直接触れられるだけでなく、それをコンテンツとして楽しむ行為も広がりました。それは企業と生活者の距離が縮まったと言えるのかもしれません」

同社では2020年度(2021年2月期)に5万社の利用という目標を掲げており、そこに向けては道半ばだという。近年は地方企業の利用を促すため、地方の金融機関などとの業務提携を進めている。スタートアップやNPO、スポーツ団体などに向けた特典プログラムも用意している。

PR TIMESの登場でプレスリリースの内容も変化した。

「余計なものを削ぎ落とし、事実や結果だけを淡々と表現する。そんな慣習からはじまった企業のプレスリリースは、そのスタイルを継承しながら、大きく変化してきました。代表者の熱量はもちろん、プロジェクト推進者の想いや幾多の挑戦に伴う、様々な辛苦と無数のドラマが思い思いに表現され、かつては外から窺い知ることができなかった『なか』の情報に、誰でもすぐにアクセスできる時代になりました」

「突っ張り棒」や「突っ張り棚」のトップメーカーである平安伸銅工業(大阪市西区)はPR TIMESをうまく活用している企業の一つだ。同社が5月14日に配信したプレスリリースは強烈なビジュアルとメッセージで爆発的に拡散され、多くのウェブメディアが取り上げた。

プレスリリースとは思えないこのタイトル。「~日本国民の9割は、突っ張り棒の使い方を間違っている!?~突っ張り棒の平安伸銅工業、ブチギレ社長が“ツッパリ嬢” に大変身!怒りのあまり、ホームセンターを大占拠!?」。テレビでも報道され、フェイスブック上でも8000件以上の「いいね!」がついた。
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文=林亜季

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