セーラー服おじさんが世界で感じた、日本のコンテンツビジネスの可能性

自身が開発に携わるツールについてイベントで解説する小林。普段は情報処理ソフトウェアエンジニアとして一般企業に勤務する


ネガティブな要素に目が行きがちな日本人。しかし、それよりも先に、「いいこと」から考えてみる。それも冗談みたいに「ありえないほど」の「いいこと」を。

世の中に女装をしている人は、数多く存在する。そんな中、自分が海外で有名になったことに、小林自身が誰よりも驚いている。セーラー服つながりで、憧れだった有名人と会うこともできた。ある番組で元「おニャン子クラブ」の新田恵利さんと共演した。橋本環奈さんの出演する映画『セーラー服と機関銃―卒業―』の宣伝に起用してもらえた。

「起こりうる悪いことを想定してリスクを回避するのは、実行の直前の最後の最後の仕上げの段階で、少しやっておけばいい。『閉塞感』なんて案外幻想にすぎなくて、下ばかり向いているからそうなる。実は上に出口があるのが、見えていない」

珍しくロジック抜きで熱弁した小林。誰よりも日本のことを愛する男は、今日もスカートをなびかせ、渋谷・センター街を歩く。

小林秀章(こばやし・ひであき)◎東京都杉並区出身。1962(昭和37)年生まれ。早稲田大理工学部数学科卒業、同大学院修了。印刷会社で情報処理ソフトウェアエンジニアとして働く。幼い頃より、女の子のようにかわいい格好をしたいとの願望があった。横浜市のラーメン店で「セーラー服で来店した30歳以上の方は無料」というキャンペーンに参加したことがきっかけで、毎週末セーラー服を着用するように。気さくでユニークなキャラクターもあいまって、SNSを中心に話題となった。現在では世界中のオタク系イベントからゲスト出演のオファーが絶えない。

連載:世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント
過去記事はこちら>>

文・写真=田中森士

ForbesBrandVoice

人気記事