ライフスタイル

2019.07.14 17:00

障害者の働き方改革。その第一歩は、彼らの「生きにくさ」を理解することから

障害者の身だしなみ講座 写真=岩岡ひとみ


障害を持っていても、年頃になればおしゃれや恋に憧れを持つのは当たり前のこと。福祉の現場では、あえてそれをタブー視してしまっていることもあり、そういった「生活の楽しみ」や「個性や自分らしさ」の支援が足りていない現状もある。
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厳しく社会のマナーや仕事のルールを教えるだけでなく、何のために働くのかという根本的な問いや息抜きの仕方(余暇の楽しみ方)や、仲間とともに仕事をやり遂げることの楽しさなども一緒に伝えていきたいと考え、福祉現場の手助けとなるような講座が開催できるよう改善を重ねている。

凸凹(でこぼこ)を認め合う社会に

就職はゴールではなく、長く続く社会生活のスタートでしかない。
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障害者支援の現場でも、一般就労(就職)がゴールとなってしまっており、就職後、うつ状態になって仕事を休んだり、辞めてしまったりという障害者も少なくない。生きにくさゆえに、イジメや失敗が多く、ストレスがたまりやすく、ネガティブな思考に陥りやすくなるからだ。こうしたうつの症状などは、障害の特徴が引き起こした二次的な障害であるため「二次障害」と言われる。

二次障害を防ぐためには、周囲の理解が何より大切だ。

全ての人には凸凹(苦手なことや得意なこと)がある。障害を持つ人は他者から見て苦手なことがわかりやすく、支援がしやすいとも考えられる。

福祉の専門家だけが、障害を持つ人たちの仕事や生活を考えるだけではなく、もっと、多職種の専門家や、ともに働く職場の人たちも、障害を持つ人たちへの支援について考えていくようにしたい。

ちょっとしたアドバイスをしたり、苦手なことのサポートをしたり、余暇活動など障害者が楽しめることに共に取り組んだりしていけば、誰もがもっと働きやすい社会を作り出せる。

凹(苦手なことやマイナスの条件)ばかりに目を向けず、凸(得意なことや、好きなことや際立った特性など)を活かせるよう、勤務の条件を変更するなどして、社会にある様々な障害をフラットにしていけたら良いのではないだろうか。

職場実習や採用活動の真っ只中、という人も多いだろう。

NPOやそれぞれの地域の支援団体のユニークな取り組みを活用して、障害を持つ方の「働きたい」という気持ちをサポートしていく企業が増えることを願う。

連載:岩岡ひとみのBeauty & Society
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文=岩岡ひとみ

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