ハーバード・ビジネス・レビュー誌に2005年に掲載された米シンクタンク、センター・フォー・タレント・イノベーション(Center for Talent Innovation)の調査では、高い資格を備えた女性の中で、仕事を辞める人の93%が仕事に戻りたいと考えている。しかし、こうした女性たちは復職が難しいと感じている。このため、キャリアを前進させてより多くの金を稼ぎ完全に自立することは、女性にとってさらに厳しいものになっている。
3. 女性が稼ぐ額は男性より少ない
私はこのことを認めたくないが、数字はうそをつかない。米シンクタンクであるピュー研究所が米国のフルタイム、パートタイム労働者の時給中央値を分析したところ、女性が稼ぐ額は男性の85%だった。
女性が稼ぐ額が男性より少ないとすれば、その収入をきちんと管理することはさらに重要になる。女性は必要な出費に使える額が少ないため、最終的には男性よりも貯蓄額が少なくなる。米CNBCテレビが報じた米資産運用大手ブラックロックの2015年の調査では、退職間近の米国人女性の退職後の貯蓄は平均8万1300ドル(約890万円)だったのに対し、男性は11万8400ドル(約1300万円)であることが分かった。
ただ、女性が貯蓄していないわけではない。実はその真逆だ。米資産運用大手フィデリティの2017年の調査では、女性が収入のうち貯蓄に回す割合は男性よりもわずかに多いことが示された。しかし、貯蓄する割合が少し高くても、収入が低ければ貯蓄額も低くなる。
どこから始めればよいのか
「金融について理解すること」が難しいことに思えるのは承知している。金融の分野は複雑で怖いもの、そして退屈なものになることがあるからだ。(私はファイナンシャルプランナーなので、このことを断言できる)
まずは自分の経済状態を整理し、現実的な視点から見てみよう。自分の純資産の収支報告書と予算を作り、弱い部分を特定する。どこで出費し過ぎていて、どこで十分に貯蓄していないのだろうか?
その次は短期・長期的な目標を作成し、現在の経済状況で達成可能なものかどうかを考えよう。達成可能でない場合は、出費を減らすかサイドハッスル(副業)を通して追加の収入を得るようにする。
配偶者の男性が金銭面を管理している既婚女性は、自分が家族の金銭的な決定により深く関わり、配偶者と共同で管理したいと思っていることを配偶者に伝えること。