「Mパフォーマンスモデル」というM40iには、「アダプティブMスポーツサスペンション」と「Mスポーツディファレンシャル」が装備され、車高は標準よりも10mm低い。ということで、2.0i仕様よりも足まわりは固いので、コーナーではロールが少なく、うねりのあるコーナーを突破した時も、フラット感を保つ。
でも、サスが固めだと言っても、乗り心地は犠牲にされていない。今回、特に嬉しかったのが、旧型のヒョコヒョコとしたボディの動きがなくなり、非常に滑らかな走りに変わっていた。
Z4の主な特徴は言うまでもなく、より軽くなった電動ルーフシステムだ。トップを格納するスペースが小さくなったおかげで、ラゲッジスペースは旧型より5割増しの容量を確保した。つまり、普通のスーツケースなら収まるわけだ。使えるスペースは他にもできた。ラゲッジエリアにはセンタースルートンネルもあり、さらにアームレスト部分には大きなカップホルダーも備わっている。
インパネのスイッチを押せば、たった10秒で開閉できる電動ソフトトップは、50km/h以下なら走行中でも開閉可能。実際にまったく危なげなく、素早くかっちりと作動した。その高い精度とタフな造りには感心が止まらない。これならいつでもどこでもためらいなく屋根を開けることができる。あっちを押したり引っ張ったり、うまくかみこむように四苦八苦したかつてのオープンカーはもはや前世紀の話だ。
Z4の兄弟車はスープラかもしれないけど、ライバルはやはりポルシェ718ボクスターだね。でも、このZ4のM40iの新しいルックス、よりスポーティなエンジンフィールや走り、そして無視できない素早い電動ルーフ。残るはプライスだ。基本価格の835万円は少し高めだが、高級スポーツカーに必要な要素は全て揃っているので、どうしても軍配はBMWに上がるのかな。
国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>はBMW Z4