コーヒーは本当に脂肪燃焼に役立つ? 研究結果と米国の例から考える

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コーヒーは「奇跡の飲み物」か?

現時点で言えるのは、コーヒーには脂肪を燃焼させる「可能性がある」ということだけだ。培養皿の中のマウスの細胞と、ヒトの細胞には多くの違いがある。さらに、カフェイン入り飲料の摂取が体の一部における熱産生の促進につながることは必ずしも、脂肪を減少させる可能性があることを意味するものではない。

もちろん、過去の研究には、カフェインが代謝を促進させるとの結果を示したものもある。だが、それは長期的な体重減少とその維持につながるほど大きな影響を持つものだろうか?

さらに、利尿作用があることなどからも分かるとおり、カフェインが及ぼす影響は複雑なものだ。空腹感を強める可能性があるとの研究結果もある。また、心血管系や睡眠パターンを変化させる可能性があり、そのこともまた、空腹感や代謝、その他の健康上の問題に影響を及ぼし得る。

結局のところ、カフェインは脂肪の燃焼と体重の減少に役立つものなのだろうか──?恐らくコーヒーは、減量に役立つ奇跡の飲み物ではないだろう。また、米国が抱える肥満のまん延という問題の解決策でもないだろう。

もしそうであれば、私たちはすでに、この問題に関する変化を目の当たりにしているはずだ。何と言っても、米国は世界有数のコーヒーの消費国なのだ。ハフィントンポストの過去の記事よれば、米国人は1日当たり4億杯以上のコーヒーを摂取している。一方、米中央情報局(CIA)の「ザ・ワールド・ファクトブック」によれば、成人の肥満率は世界で12番目の高さだ。

編集=木内涼子

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