ビジネス

2019.07.01

認識進むプラごみ問題 自然素材を活用した新たな代替策3選

Alohaflaminggo / shutterstock,com


同社は2001年から整形外科用の靴の中敷を製造しており、2008年にはリコークと共同でレストランやバー、祭りで回収した使用済みコルクを使って靴の中敷を作るようになった。またエッジ・マーケティングは現在、埋め立て処理されるはずだったバイソンの毛を活用するアウトドアブランド、ユナイテッド・バイ・ブルー(United By Blue)とパートナーシップを組み、バイソンの毛を靴の断熱材として使っている。

回収されたコルクは産業用粉砕機で粉砕され、他の材料と調合される。そうしてできたどろりとした液体は、ミッドソールの型に流し込まれる。靴1足に必要なコルクは40個ほどだ。ソールとリコークのパートナーシップのクリエーティブディレクターを務めるカーラ・ペケットによると、同社ではこれまで1億個以上のコルクを回収している。

ペケットは、コルクの持続可能性を消費者に説得する上でさらなる取り組みが必要だと語る。「コルクを持続可能な方法で採取することで、コルクガシの木の寿命は300年も延びる」と述べたピケットは、コルクガシの森が素晴らしい生物多様性を支えていて、同商品への経済的需要が森を成長させていると語った。

パイナップル繊維から作った腕時計

腕時計をつけたいが革を使いたくない人には、英国を拠点とした腕時計ブランド、ボッチ(Votch)が解決策となる。同社は、パイナップルの収穫後に通常は破棄される余剰なパイナップルの葉を使い、腕時計商品ライン「ピニャテックス(Piñatex)」のストラップを作っている。パイナップルの葉の繊維は工業用機械を使い、革のような見た目と柔軟性を持つメッシュ状の素材に変えられる。


Jaochainoi1980 / shutterstock.com

ボッチ創業者のローラ・ウエイは「ピニャテックスを作るために追加の土地や農薬、肥料は必要なく、農家にとっては追加の収入にもなる」と述べた。

ボッチは、同素材を開発したアナナス・アナム(Ananas Anam)から繊維を調達している。繊維はスペインで処理され、その後ボッチの中国工場で腕時計のストラップの形に変えられる。ウエイによると同社では、複数の素材のブレンドと技術を試すことで、毎日使用するのに十分な耐久性を確保した。最終製品はマイクロファイバーを基盤とし、生地の端を縫うことで擦り切れや摩耗を防いでいる。

パイナップルの葉の繊維は手頃な価格で、その他の高価な素材を使う量も少なくて済むため、パイナップルを使うことで価格に影響はない、とウエイは語る。同製品ラインは2017年に発売後、1本平均170ドル(約1万8000円)で約150本を売り上げ、2万5000ドル(約270万円)以上の売り上げを出した。同ブランドは次の計画として、ワイン用ブドウの搾りかすから作った繊維など、他の動物性以外の素材を使った革代替品を考えている。

翻訳・編集=出田静

ForbesBrandVoice

人気記事