最近「トヨタイズム」のCMに出ているのがそのコースだ。毎年、そこで開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レースに、160台以上のクルマと700人以上のドライバーが参戦する。レースは、総合順位とクラス(車種)別の順位を争うが、全車が同時に走行する。
クルマ好き、またはモータースポーツのファンなら、ニュルブルクリンク24時間レースはきっと見ていると思う。 でも、クルマにあまり興味のない人は、レースを認識すらしていないと思う。
正直なところ、先週末そこで行われたのは、世界一の自動車バトルだった。日本勢がまるで自動車の「ゲーム・オブ・スローンズ」と言えるほど、激しいレースを戦っていた。そして、世界で最も力強いブランドの中でトヨタ、レクサス、日産、スバルが好成績を挙げた。
ドイツを代表するアウディ、ポルシェ、メルセデスベンツ、BMWが総合1位から9位を独占し、近藤真彦率いる日産GT-Rチームが総合トップ10入りした。「今年の結果は100点(満点)」と喜んだ近藤だが、来年は一桁を狙うらしい。
トヨタGAZOO Racingは11年以上前から参戦しているが、今回は今年登場したばかりの新車「GRスープラ」の初挑戦で最も厳しいテストを経験した。モリゾーこと豊田章男社長もドライバーに加わってクラス3位に入賞し、トヨタの代表的なスポーツカーの可能性を自ら証明した。また、GAZOO RacingのレクサスLCは総合24位だった。
日本からの参加者で一番輝かしい結果を残したのは、クラス優勝をゲットしたスバルWRX STIだ。これで、スバルは6回目のクラス優勝になる。
近藤レーシングGT-Rの10位は誇らしいのか? と疑う人にはぜひ理解してほしいことがある。ニュルブルクリンクは、ドイツのホームサーキット。ドイツ勢は意地を見せたいので、アウディ、ポルシェ、BMW、ベンツ、VWがそれぞれファクトリーチームで参戦する。つまり、最高の技術、最高のドライバー、莫大な予算、そして何千時間の練習走行で培ったノウハウを持って立ちはだかる。