ストックXの評価額は10億ドルを超え、新たなユニコーン企業が誕生することとなった。今回の調達ラウンドを主導したのは、投資会社のDSTグローバルとジェネラル・アトランティック、GGVキャピタル。ストックXがこれまでに調達した金額は、合計およそ1億6000万ドルとなる。
同社はまた、共同創業者のジョシュ・ルーバー(41)が最高経営責任者(CEO)を退き、取締役として同社の経営に関わることを発表した。新CEOに就任したのは、最近まで電子商取引大手イーベイのシニア・バイスプレジデントだったスコット・カトラー(49)。チケット売買仲介サイト、スタブハブ(StubHub)」のCEOを務めたほか、ニューヨーク証券取引所の上場部門の責任者でもあった人物だ。
見本は証券取引所
ストックXは2016年、スニーカーマニアを意味する「スニーカーヘッド」を自称するルーバーと、グレッグ・シュウォルツ、住宅ローン大手クイックン・ローンズ(Quicken Loans)の創業者で富豪のダン・ギルバートが創業した。
ギルバートは当時、息子がイーベイでスニーカーを買い、売ってお金を稼いでいることに気づいていたという。そして、そうした売買、つまり同じスニーカーの価格が販売される場所によって大幅に異なることこそが、ルーバーが我慢ならないと思っていたことだった。
そこで創業者たちは、消費者が人気のスニーカーをオンラインで、より透明性の高い価格で売買できるサイトを立ち上げることにした。
ストックXのサイトでは、例えば「ナイキ エアジョーダン 1 レトロ ハイ」や「ナイキ ズーム テラ カイガー 5」の相場が分かる。実勢価格が示されていることで、サイトのユーザーは判断基準を得ることができ、売り手はその他のサイトや店でも、相場以上の価格で売ることが困難になる。
同社が自らを「モノの取引所」と位置づけるのは、このためだ。ユーザーは投資家が株式を売買するのと同じように、需給バランスを反映した価格でシューズやアクセサリーを売買することができる。