幸せは「なる」ものではなく「感じる」もの

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私の住むニュージーランドという国は、幸福度ランキング上位の常連である。2019年は世界156カ国中で8位。日本は58位。

経済的には小国で、モノも情報も日本に比べると圧倒的に少ないこの国の人々が、なぜいつもあんなに楽しそうなのかと、私はいつも不思議に思っていた。しかし、今回久しぶりに東京に戻ってみて気がついたことがある。幸せを感じることを最も阻害しているのが、「多すぎるモノと情報」だと。

少ない方がいいと言っているのではない。多すぎることが問題なのだ。「多すぎるモノと情報」がノイズとなって、自分だけの「幸せを感じる瞬間」が自分でも見えなくなり、「幸せを感じる感度」が鈍ってしまうのだ。

幸せを感じている人とそうでない人の差は、単に経済力の差でもなければ社会的地位の差でもない。幸せは苦労した末に得られる成果でもない。思考や行動を変えることですぐにでも「感じる」ことができる。つまり、誰でも実践できる「幸せになる技術」があるのではないかと思うのだ。



ニュージーランドには政情不安な国から逃れてきた難民も多いが、彼らは日本のことを「夢のような国」だという。いまだに世界屈指の経済力を持ち、他国と比べるとそれでも圧倒的に良い治安に恵まれている日本に住む人々が、今よりもっと多くの幸せを感じることができ、いつしか幸福度ランキングの上位に浮上してくることを願ってやまない。

連載:生産性が高まる&楽しくなるワークスタイル設計
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文=角川素久

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