プジョーが新型508で激戦のDセグメントに挑む

Peugeot 508 GT Line

ライオンの紋章を掲げ、創業から200年以上もの長い時間を歩んできたプジョー。そのものづくりへの情熱は、WRCやル・マン24時間をはじめとするモータースポーツへの参戦や、自転車やオートバイをはじめオート三輪など数々のバリエーションに満ちた二輪車の開発といった形で顕著に現れている。近年では2009年に発売を開始した初代3008、14年から販売している2008など、4桁の名前がつけられたSUVシリーズは人気を博し、17年に発表された2代目の3008は1年で世界販売台数が10万台を超えた。

世界的なSUVブームの追い風を見事に捉えたプジョーが、このタイミングで放った次の矢がDセグメントのサルーンであることは実に興味深い。自動車に詳しくない向きのために例を挙げるなら、ライバルはメルセデス・ベンツCクラス、アウディA4、BMW3シリーズとなる。

この508、まず印象的なのがそのデザイン。全高1420mm、全幅1860mmとワイド&ローな車体は、従来のサルーンを定義づけていた「独立したトランクを持つ」というコードから決別したファストバックスタイルの採用により、流麗な印象を強調。自動車業界の伝統への革新的な挑戦だ。

運転席に収まれば、シックなレザーやピアノブラックのパネル、それらにアクセントを加えるサテンクロームのトリミングによる、上品なデザインが心をくすぐるインテリアを楽しむことができる。ハイクラスの居住性と、Peugeot i-Cockpitと名付けられた最先端のUI/UXが両立しているのだ。

搭載される電子制御サスペンションの動作も良好。まるで絨毯の上を歩いているような乗り心地と、低速域で軽く、高速域でしっとりとした重みを持つ小径のステアリングがもたらすドライビングプレジャーも申し分なし。もちろん、先進運転支援機能と予防安全装備も充実。

2019年夏にはステーションワゴンの日本での発表、発売も予定されている。フランスを代表する新しいサルーンの価値を、ぜひその運転席で確かめてほしい。



駆動形式:FF
全長:4750mm
全幅:1860mm
全高:1420mm
最高出力:133kW/5500rpm(180ps)
価格:¥4,590,000(税込み)
問い合わせ:プジョーコール(0120-840-240)

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Photograph by Tsukuru Asada (secession) Text by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN 100年「情熱的に働き、学び続ける」時代」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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