挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

昔、携帯電話で写真を撮ることも、その写真を送付することも当たり前ではなかった。

昔、携帯への緊急通報機能や、音楽をダウンロードすることも当たり前ではなかった。

この2つの技術を業界、いや、世界で初めて開発・導入した男がいる。クラウディアン株式会社で代表取締役を務め、この度、新会社「EDGEMATRIX(エッジマトリクス)」を設立した太田洋だ。そんなモバイル業界のスタンダードを生み出し続けてきた天才が次に目をつけたもの、それが「AI」である。

「AI領域で今、世間を賑わせているのは自動運転やスマートスピーカーなどに搭載されるような、いわゆるアプリケーションです。我々はそのアプリケーションを支える“プラットフォーム”に着目し、開発を進めているんです」

そんなエポックメーカーと呼べる太田を、経営基盤面から支える本橋信也という男がいる。太田と同時代に、大手通信会社や携帯事業者で経営企画や事業戦略など会社の中枢を担ってきた、いわば経営のプロ。社名の“EDGE”は最先端・現場、“MATRIX”は母体・基盤を意味する。まさにこの社名を体現するふたりが、今、満を持してAIというフィールドで新風を巻き起こそうとしている。

日本よりも先に、シリコンバレーで成功する


太田と本橋がタッグを組んだのは、2008年。

太田は携帯電話の通信向け基盤ソフトウェア開発を手掛けるジェミナイ・モバイル・テクノロジーズ社を起業していたものの、リーマンショックによる不況の余波を受け、喘ぎ苦しんでいた。本橋がジョインしたことで会社は安定し、現在のクラウディアン社へと昇華させることができたのだった。


EDGEMATRIX 代表取締役社長 太田洋

同社は2011年にリリースしたオブジェクトストレージ『CLOUDIAN HYPERSTORE』を主力製品とし、業績を伸ばしてきた。これは、汎用的な複数のサーバーを統合制御しながら、ひとつの巨大なストレージシステムを構築できるソフトウェアである。

数十テラバイト程度の小規模導入が可能な上、ペタバイトを超える大量のデータも安全かつ経済的、長期的に保存できるのが特徴。

リリースから2年半の間に、NTTコミュニケーションズやNTT東日本、ニフティなど名だたる通信事業者が採用。しかし一方で、それ以外のエンタープライズへの参入はなかなか進まなかった。

「一般的に、日本企業は既存のシステムに新しい技術を取り入れたり、入れ替えたりするのにとても慎重です。導入していただくのには時間と労力がかかりました。しかし、そのプロセスで、製品やサポート体制が鍛えられたのも事実です」(太田)

ブレイクスルーの瞬間は2014年に訪れる。特に営業活動を行っていなかったのにも関わらず、あるタイミングから海外企業からの注文が相次いだことで「日本よりも海外で売れる商品」であると踏み、拠点のあった米国シリコンバレーに本社を移転させるという経営判断を2012年に下していたのだ。

2年ほど足踏み状態が続いたが、ストレージ業界30年のベテラン営業マンをトップに据えたことで事態は一変する。

「彼がジョインして半年ほど経った頃、“成熟した製品だから、営業スタッフを増やすだけ売れる”と提案、いや断言したんです。最初は半信半疑でしたが、やはり現地の事情は現地のプロにこそわかる、そう考えた。一任することにしたら、彼が言った通りになり海外で爆発的にセールスが進みました。日本式スタイルだったら、こうはならなかった」(本橋)

デバイス開発から広がった、AI×プラットフォーム構想


太田がストレージの次に着手したのはAI。

AIの精度を高めるためにはディープラーニング、つまり深層学習は不可欠な技術。1万枚、5万枚といった大量の画像を、何度も見せて学習させるというそのプロセスに大容量のストレージは欠かせない。つまり、ストレージとAIは親和性が高い。

「最初はストレージを売るためのノウハウづくりのために、AIの実証実験に協力していたのですが、続けていたら“AIによる交通量測定”という商用プロジェクトの依頼が来て。こうしてビジネスに発展させつつ経験と知見が溜まった結果、必要に駆られて自力で開発したのが『AI BOX』という製品でした」(太田)

「台湾の工場に行って、ぽんと作ってきちゃったんですよね。相変わらずの行動力だし、製品自体はものすごく良質なので、周りは納得せざるを得なかったのですが」(本橋)

『AI BOX』とは一体どんな製品なのか。一言でいうと、高画質な画像や大量のデータを現場処理できるデバイスである。これまでクラウドを介在させる上で挙がっていた

・通信帯域の制約から、4K、8Kというような高精細な画像が送れない。しかし、画像圧縮した画像では、識別精度が上がらない。
・クラウドを経由では、リアルタイム性を追求できない。
・オンライン環境がなければ機能しない。

といった問題を『AI BOX』を使用することで、一気に解消できる。すべて現場での解析が可能だからだ。たとえクラウドを経由する必要があっても、送信するデータそのものは格段に軽くなる。工場など機密情報を取り扱う現場では、オフライン処理ができることも利点につながる。


EDGEMATRIX 代表取締役副社長 本橋信也

「この製品は、個人情報保護の点においても優れています。例えば、個人の顔が判別できる写真をそのまま送り、無防備にクラウド上に蓄積させることは、情報漏洩の危険性を高めます。それを現場で分析し、人数や男女比のような数値、つまり“統計データ”として、クラウドに送信することでリスクを回避することができるからです」(本橋)

しかし、太田・本橋の構想は、このAIデバイスだけに留まらなかった。

今後1000台、1万台と増え続けるであろう『AI BOX』を管理できる“プラットフォーム”の開発に着手したのだ。ビデオカメラ映像をリアルタイムに分析できるデバイスを提供し、そのインフラを整えることで使用する環境を快適なものにしていく──まさに、元携帯キャリアの知識や勘所、ネットワークを集結させた事業なのである。

日本が誇る現場(エッジ)の力を、技術と思考に活かす


クラウディアン社で生まれたAI事業は、平成最後の営業日(2019年4月26日)に登記後、7月1日にクラウディアン からスピンアウトし、新会社EDGEMATRIXとしてスタートを切った。

社名の“EDGE”と“MATRIX”が意味する通り、現場の力を最大限に活かすためのプラットフォームづくりーーそこには事業への只ならぬ意気込みが感じられる。投資家からの期待も大きく、資金調達の面でも順調な滑り出しを見せている。

「日本企業が圧倒的に強いのはEDGE、現場です。顧客のニーズを聞き取り、機敏に具現化をしていく能力は群を抜いて秀でており、欧米企業が手を出せない領域です。その強み、品質を日本でしっかり育ててから、海外市場へ打って出たいと考えています」(太田)

社長である太田、副社長の本橋をはじめ、EDGEMATRIXは大企業であれば部長や役員クラスの年代のメンバーが中心。グローバル企業で経験を積み、腕を磨いてきたプロフェッショナルたちである。

「みんな、太田の好奇心・行動力・無謀さに心から共感し、仕事に挑んでいます。今、楽しくない人なんてひとりもいないんじゃないかな。酸いも甘いも知っている大人の会社ですし、企業文化や厳格なルールを押し付けるつもりはない。成果はしっかり求めるけれど、時間、場所、働き方などは一任しています。

達成すべき目標が同じで、自分自身をマネジメントできるプロ集団であれば、人が人を管理する必要などはなく、信頼関係だけで成り立つと信じているのです。それは理想論だということもわかっている。けれども行けるところまでこのスタイルで行ってみたいと思ってます」(本橋)

最後にこんな質問をしてみた、「経営者、太田洋ではなく、一人の人間としてどんな人なのか」と

──“絶対に裏切らない、信頼できる男”。

本橋はすぐに問いを返してきた。

かつて「業界初」を生み出した男が、仲間からのゆるぎない信頼を糧に次世代へと挑む。常にその視線の先にあるのは、やはり現場だ。

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