職種、国籍を超えた組織マネジメントの本質
──御社には、セールスの方だけでなくエンジニアの方が3割いらっしゃるという話を伺いました。多様な人材をマネジメントするために工夫していることをお聞かせください。
多様な人材ということで考えると、前職では、中国の方を5人マネジメントした経験があります。日本語もままならない方たちでした。
私は、自分の長所はマネジメントだと思っていますので、さまざまな職種や人種、国籍の方をまとめていける組織にしたいと考えています。そのためには、宗教上の違いなどは考慮していく必要はありますが、それ以外に関しては基本的にすべての方に対してスタンスを変えないことがとても大事だと思っています。どの国の人であっても、駄目なものは駄目、良いものは良い。人間として向き合うことが非常に重要だと思います。性別に関しても同じことがいえるのではないでしょうか。ケアしなければいけないことはありますが、女性メンバーだからと気を遣いすぎてしまうと逆にうまくいかないと考えています。
人としてちゃんと向き合う。伝えるべきところはきちんと伝える。誰に対しても変わらないマネジメントスタイルが非常に重要です。ケアは必要ですが、そこに本質はありません。
──人間として向き合うこと、確かに大切ですね。具体的に取り組まれていることはありますか?
多くの企業も取り入れていますが、週1回、マネージャー陣とは1on1をしています。しかしながら、組織が大きくなるにつれてマネージャーとだけ1on1をしていても、その話が本質かはわかりません。そのため、マネジメントされているメンバーと飲みに行くなど現場の話を聞くこともあります。また、毎週1回全メンバーを集めて朝会をしています。そこでは、各部門が進捗、戦略を発表して、私は総括を話す。こうして全員とのコミュニケーション機会を増やしています。
「なぜこの制度が重要なのか」「なぜ新規事業をするのか」「なぜメンバーを増やしたのか」「なぜテクノロジービジネスをしているのか」といった価値観の話をよくしています。こうしたコミュニケーションの機会はチームビルディングのために非常に重きを置いています。