広告に生活を支配される私たち 買い物欲を手放す10のステップ

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現代では組織的宣伝活動により、重要なものに焦点を当てた意図的な生活を送ることが非常に難しくなっている。

宣伝や広告、マーケティングの専門家は、組み立てラインで生産された製品が自分により大きな幸せをもたらすと私たちに思わせるため、日々休むことなく働いている。しかし、こうした不要な買い物はストレスや不安、義務を生活にもたらすだけで幸せにはなれず、金の無駄だ。

広告業界のメッセージにより、私たちの考え方は「これは無駄遣いだ」から「これがあったら良いのに」「これが欲しい」、そして最終的に「これが必要だ」へと変わる。広告業界の戦略は非常に微妙なので、私たちは自分が洗脳されていることにほぼ気づかない。無意識のうちに広告は、私たちの願望、貯蓄、そして生活まで支配してしまう。

広告主に生活を支配されないようにするには、私たちは断固とした態度を取らなければならない。ここでは、その10のステップを紹介する。

1. 幸せは金で買えないものだということに気づく

次はこれを買えば幸せが手に入るといった思い込みはやめること。新たに物を買ったときにドーパミンが放出されても、それはすぐに消えてしまう。幸せは決断であり、アマゾンで変えるものではない。

2. 広告が売ろうとしているものが何かを特定する

昔の広告は事実に基づいた主張を強調していたが、現在では見ている人の心に何かを想起させることへとその重点が変化した。広告主は、私たちの潜在意識下の願望(地位や性、名声、幸福、見た目、自尊心、アイデンティティー、評判など)や恐れ(孤独感や不安、弱み、不確実性など)に訴えかけている。こうした戦略を意識し、だまされないようにすること。

3. ステータスではなく便利さを基準に購入するものを選ぶ

隣人を感心させることではなく、あなたのニーズを満たせるかどうかを基準に物を購入する。この原則はあらゆるものに適用すべきだが、まずは家や車、服から始めよう。他の人と同じように生きる必要などない。実際、人と同じように生きようとしないほうがより幸せになれるだろう。

4. 広告メールなどを制限する

広告メールの購読をやめる、ジャンクメールを消す、CMの時間はラジオやテレビをミュートにする、さらにはテレビを見るのを一切やめるなどの行動を取る。代わりにサイクリングや運動、ハイキング、庭いじり、キャンプなどアウトドア活動を楽しむか、読書や芸術、会話、哲学、瞑想(めいそう)などで頭を忙しくすること。

5. 引き金となるポイントを認識する

あなたには、不要な買い物を助長する特定の店や、自動的に反応してしまう製品、依存症、価格パターン(在庫一掃セールなど)があるだろうか? 悲しみや孤独など、過度な消費を引き起こしてしまう感情もあるかもしれない。こうした弱みを特定・認識・理解しよう。これは、自分の行動を再び制御できるようになる上で特に重要なステップだ。
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翻訳・編集=出田静

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