同僚に対し、例えば「今日は早めに退社します」のようなシンプルなことを伝えると、相手はその人の動機の源となるものによって、さまざまな解釈をする可能性がある。
相手が「理解」のフィルターを通して聞いていたとすれば、(あなたが何も言わなかったとしても)早退は私生活での問題が理由だと思うかもしれない。
フィルターが「創造」だった場合、(あなたが何も言わなかったとしても)講座やワークショップに出席するため早退する必要があるのだと直感的に思うかもしれない。
「アイデンティティー」に突き動かされている人は、(たとえそのようなことを話したことがなかったとしても)あなたが自分の方が高い地位にいることを誇示するために早退を伝えているのだと思うかもしれない。
つまり、「今日は早めに退社します」というシンプルな発言は、聞き手が持つフィルターによって「プライベートで問題がある」「クリエーティブなワークショップに参加している」「自分が他の人より重要な存在だと思っている」と聞こえてしまう可能性があるのだ。
同僚のフィルターに合わせて話す
自分が他者にどう思われているかは、すぐに自分の評判へと変わってしまうかもしれない。そのため、どのように伝えるかだけでなく自分の発言が聞き手にどのように認識されるかについても責任を持つべきだ。
その人を深く理解すれば、相手がどのようなフィルターを通して聞いているかを的確に予想できるときもある。例えば、気が短く、自分があなたより劣っていると感じがちな同僚の場合、それに合わせて言葉遣いを変え「事前に伝えておこうと思ったのだけど、今日はできれば早く帰りたくて。もしそれでも大丈夫だったら、だけど」と言えばよい。
相手に自分の発言を繰り返してもらう
大半の場合は、自分の発言がどのように聞こえているかについてはっきりと伺い知ることはできない。そのため、一番良いのは尋ねることだ。疲れるし意味がないとさえ思うかもしれないが、あなたの真の意図が確実に伝わるようにし、自分勝手だとか、要求が多いとか、偉そうだとか、遊び好きだといったレッテルを貼られないようにするには、相手が実際に何を聞き、どう解釈したのかを確認する必要がある。