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──他にもそんなエピソードが?

アレン・マイナー(日本オラクル初代代表)と出会ったきっかけも似ています。米セールスフォースドッコムの10周年パーティーに参加したときのこと。当時、目新しかった分子調理でできたゼリーがあって、なんだこれは!と感動していたら、目の前に同じくひとりでお酒を飲んでいる人がいて、偶然目があったので「このゼリー美味しいですよ!新体験!」と英語で声をかけたら、それがアレンでした。そこからバックパッカーから帰国して2カ月だったので、色々ビジネスと関係のない話で盛り上がり、その中で「いま僕の秘書を探しているんだ」と言われました。

「僕の秘書はバックパッカーのようにパッションがある人じゃないと務まらない!」と言われたので、早速面接に行き、アレンがCEOを務めるサンブリッジでエグゼクティブアシスタントとして働くようになります。そこでは行政とのインキュベーション施設の立ち上げや、スタートアップ支援、合弁会社設立などアレンと共に色々と経験させていただきました。

現在、アレンは弊社のアドバイザーになってもらっています。

──すごいお話です。目の前にチャンスがあったら、絶対後悔しないようチャレンジして成し遂げる力が素晴らしいですね。

基本的に負けず嫌いなんです。私の弟が生まれたときに、まわりから「(男の子が生まれて)よかったね」と言われたことをすごく覚えていて。祖母からはよく「女なんだから、はやくいいところの人と結婚しなさい、初孫だけど女には事業を継ぐことはできないし、男に勝つと痛い目をみる」と言われていました。

性別によってこうあるべきという見えない圧力に、小さい頃から反発していたのだと思います。だからか、昔から絶対に負けない、後悔なんてしないという想いは何事にもありますね。

──まさに今、三浦さんが行っている伝統産業×最新技術の分野でも、その突破力は活かされそうです。

社名のima(アイマ)とは「合間を取り持つ」からきています。日本の伝統産業の中には、世界に誇るべきものがたくさんある。けれどこのままでは時代に埋もれてしまうと思っています。

例えば17年から始めた、AIに匠の技を学ばせて酒造りを行う「AI-sakeプロジェクト」もそうです。理解ある蔵と匠の協力もありプロジェクトは進みましたが、道を極めた職人に全く外の技術のことをわかってもらうのは難しかったです。

こういったプロジェクトではじっくり時間をかけて相手のことを理解し、自分たちのことも理解してもらうことが重要でした。このような活動を続ける中で、現在は全国各地の酒蔵さんや商工会議所、窯元、移住した若手、芸術家、たくさんの信念を持った方とお付き合いさせていただいています。

古い産業に最新技術を取り入れ、時間軸をアップデートし、その世界の「当たり前」を変えていく。そうすれば、もっと日本の良さを世界に広げられるのではないかと信じています。

世界と接続する、「当たり前」を変える。今考えると、昔からやりたいことや興味のあることは変わってないんだなあと改めて思いますね。


みうら・あみ◎1985年生まれ、愛知県名古屋市出身。2013年より株式会社ima(あいま)を立ち上げ、代表取締役として日本酒、伝統工芸品、ユニークな技術等の海外展開支援を行う。16年、一般社団法人awa酒協会を立ち上げ、初代代表理事に就任。商標、ビジネスモデルなどを整理した後、蔵元にゆずり、現在は事務局長として協会運営に携わる。17年、つくば市まちづくりアドバイザーに就任。

取材・文=石原龍太郎 イラスト=Willa Gebbie

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