フォーブス ジャパン編集部 エディター


みずほ銀行が発表した「賃貸住宅市場の現状と展望」によれば、単身世帯や少子高齢化、人口減少によって国内の「住宅市場」は縮小が予測されている。しかし、「賃貸住宅市場」は単身世帯数や離婚率の増加、外国人労働者の増加などによって、2030年でも8.8兆円の市場規模を維持することが予測されているという。そんな市場に佐々木は狙いを定めた。

無駄なやり取りをなくし、仲介手数料を削減



カナリーの特徴は「無駄な中間プロセスの削減」にある。現状の引っ越しは、どこの不動産業者も同じデータベースを使っていて紹介できる物件は同じにもかかわらず、各不動産屋が希望条件をもとに同じような部屋探しを行い、店舗で物件紹介される。

その結果、無駄な時間とお金が発生し、仲介手数料が高くなってしまっている。ユーザーも来店・内見日時を調整しなければならなかった。

そうした無駄をなくすべく、カナリーは内見したい物件と希望日時を入れると、エリアに詳しい不動産エージェントがマッチング。内見から契約まで迅速に案内してもらえる。対応してくれるのは審査を通過した、経験ある優良エージェントのみで、その中から希望エリア(現時点では23区のみ)に詳しいエージェントが対応してくれるという。

「掲載物件数も都内最大級で、特殊な物件を除いて、すべての物件を紹介できる」(佐々木)ほか、契約手続きもオンラインで完結するので、店舗に行く手間もかからない。

今年の夏に1都3県まで対応エリアを拡大

実際、カナリーを使うことで仲介手数料を賃料1カ月分から削減することも実現しているとういう。ユーザーからの需要も高く、「2018年10月にリリースしたプレビュー版では、現段階で1万以上のアプリダウンロードを記録しているほか、1000件以上の内見依頼もありました」と佐々木は手応えを口にする。

日本では馴染みがないかもしれないが、海外では仲介会社ではなく、主に"エージェント"と呼ばれる個人事業主が、自身の実績や信頼をもとに、仲介業務を担っている。

そのような仲介業務を担うエージェントのプラットフォームを提供している米Compassは、ユニコーン企業の1社として急成長。国内外で需要は高い。

現状、カナリーは都内23区のみの対応となっているが、今年の夏から1都3県まで対応エリアを拡大する予定だという。

また、今後について「カナリーは日本においては先駆けとなるエージェント主体のモデルを取り入れ、プラットフォームとしてITによる業務支援を行うことで、ユーザー及びエージェント双方にとって好ましい新しいカタチの不動産仲介プラットフォームを目指していく」と佐々木は意気込みを語った。

文=新國 翔大、人物写真=小田駿一

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