無料で提供されるもののリストに入る項目はますます増加していった。だが、ギリシャの社会主義のリーダーたちはそのリストをさらに長くしながら、「左派バブル」の膨張を支援していった。
「誰か」のお金が必要
楽園のようではないかと言うひともいるかもしれない。だが、エコノミストたちが指摘するとおり、世界には資源が乏しい楽園など存在しない。全ての政策は誰かが、つまり納税者と社債権者が出したお金のおかげで成り立つのだ。
最低賃金の引き上げやその他の規則に対応できなかった企業は、閉鎖に追い込まれるか、ブルガリアなどの近隣国に転出していった。そして、ギリシャでは失業率が急上昇。納税義務を果たせる企業も国民も、それほど多くはなくなってしまった。
社債券者たちもギリシャに背を向け、国内では融資を受けることもできなくなった。その後に起きたことは、誰もが知っているとおりだ。
しかし、ギリシャ人たちは、こうしたことからも教訓を得ていなかった。欧州連合(EU)各国の左派が敗北し、左派バブルが崩壊し始めたつい最近(5月末)の欧州議会選挙の結果が出るまで、彼らは再び、形を変えた社会主義的な政策を試し続けていた。