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ただし、自分の人生を支配しているという感覚と心の病との間にはつながりが見られなかった。これまでの調査では、自分の人生を支配しているという感覚が強いことが精神保健の改善とつながっていることが示されていたため、これは意外な結果だった。

研究の著者らは、自分の人生を支配しているという感覚が時間をかけても変化しなかったことが原因なのではないかと示唆している。自分の人生を支配しているという感覚は個人的な性質の中でも安定したものであることがここでは示されているかもしれない。

しかしその他のつながりは、私たちの状況認識とそれに対する反応が心の健康問題のリスクを左右するかもしれないことを示唆している。これは励みになる結果だ。

こうした特徴は学習可能

著者らは論文で「逆境を経験しているときに前向きな再評価をすることで、楽観主義や、人生は意義あるもので理解でき、管理できるという感覚が培われ、時間がたったときに心の病が引き起こされる可能性が少なくなる」と述べ「前向きな再評価は、制御不能な人生のストレス要素を受け入れるよう支援することで、人の内側の強さを鍛えるのかもしれない。また、良い面に目を向けることで心配や鬱、不安を直接減らすことができる」としている。

さらに、こうした特徴はある程度学習可能なものだ。つまり、良くない出来事に対し最初はうまく反応できなかったとしても、そのやり方を学び練習を重ねれば、そのうちより反射的に対処できるようになる。

研究の著者のヌル・ハニ・ザイナルは発表で「私たちの研究結果からは、粘り強さやレジリエンス(回復力)、楽観主義のレベルを上げるか高い水準を維持することで、心の健康を改善できることが示唆されている」と述べた。「個人の、あるいはキャリアの目標達成を目指すことで、人は自分の人生に意味があると感じるようになる。その一方、こうした目標に向けて努力を怠ったり、批判的な態度を取ったりすれば、心の健康に対し大きな代償を生むことになるかもしれない」

翻訳・編集=出田静

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