女優のリース・ウィザースプーンが立ち上げたブッククラブ「Hello Sunshine」や、暗闇フィットネスの「Soul Cycle」、コワーキングスペースの「WeWork」、全商品3ドル均一のEコマースサイト「Brandless」──これら4社のスタートアップが手がける領域は全く異なるが、各社のリーダーは同じ戦略を共有している。
「私たちはまず、顧客の声に耳を傾けた。何が求められているのかを検索キーワードから探った」と、Brandlessの共同創業者のTina Shakeyは、先日のフォーブスの女性サミットの場で述べた。無印良品にヒントを得て始動した、プライベートブランドに特化したEコマースサイトBrandlessは、女性たちが欲しがる日用品を3ドルで販売している。
「業界の人たちはオムニチャネルやD2Cといった専門用語を使いたがるけど、大事なのは顧客との関係を大切にすること」とShakeyは話した。
当日、壇上にあがった起業家たちはいずれも、ブランドが女性の支持を得るためにはコミュニティが大切であると力説した。SoulCycleを共同創業し2015年まで共同CEOを務めたJulia Riceは、2017年にWeWorkのチーフ・ブランド・オフィサーに就任した。Riceはブランドの主要顧客のペルソナを描き、その声をサービスに反映させることの重要性を語った。
「フィットネス業界においても、コワーキング業界においても、私に与えられたミッションは同じだ。SoulCycleもWeWorkも、コミュニティこそが商品なのだから」
ブッククラブでメディア企業であるHello Sunshineのデジタル主任を務めるCharlotte Kohも、顧客たちの思いをサービスに反映することが最も大切だと述べた。Hello Sunshineが送り出すコンテンツはは、キュレーションを軸としている。
「世間には膨大なコンテンツが溢れるなかで、ブッククラブが支持を集めるためには、ここに来れば自分に似た誰かが、自分の声を拾い上げてくれると顧客に感じてもらうことが重要だ」とKohは話した。
「顧客たちは彼らの時間という大切なギフトを私たちに与えてくれる。そのお返しに私たちは、ちょっと気のきいた楽しめる時間を彼らに提供したい。Hello Sunshineのコンテンツには、そんな思いが反映されている」とKohは続けた。