「こうした要素に加え、大手銀行がビジネス支援に積極的なこと、保有する資金を投資する必要がある比較的大きな年金基金があることもあり、オランダには起業家にとって非常に健全な環境が整っている」(アルバース)
オランダは、外国の起業家にとっても魅力的だということが示されている。新興アドネットワーク「ビンマ(Vimma)」の共同創業者であるオウティ・ピエティラナホCEOは、フィンランド出身だ。フィンランドでもスタートアップのエコシステムが発達しているが、ピエティラナホは事業の拠点をアムステルダムに置くことにした。
「昨年ビンマを立ち上げようとしていたとき、ロンドンに移住した。ロンドンはマーケターや広告主が集まる場所だから」とピエティラナホ。「しかし、政情の影響が出始めており、ブレグジットの影響で今は誰もが非常に保守的になっているように見える」
ピエティラナホは昨年末にかけ、オランダでメディアと商業活動に焦点を当てたスタートアップ・アクセラレーター・プログラムに参加し、アムステルダムに向かった。こうしたプログラムは英国では見つけられなかった。これは「私たちのビジネスにとって最高の決断だった」という。顧客数は4倍に増え、フォーチュン500企業出身のメンターと出会い、提携企業やクライアント、投資家との貴重な関係を構築できたからだ。
ピエティラナホは、オランダの特徴として知られるビジネスに対する前向きな姿勢、そして誰もが英語を話せることを称賛し、ビンマのような革新的な技術は温かく迎えられていると語った。
「広告のあり方に対する古くからの規範を破りたいと考えている革新的なスタートアップにとって、これは素晴らしいこと」。ピエティラナホ「オランダは欠点があまりなく、スタートアップにとってバランスが取れた選択肢」とした上で、「ただしシリコンバレーとは違うので、非常に高い志を持ったスタートアップは、遅かれ早かれより大きな市場に成長と資金を求めなければならない」とも語った。