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アメリカ南東部を襲った熱波が襲来した北極圏のグリーンランドでは、わずか1日で20億トン以上の氷が解けた。北極海と北大西洋の間に位置するグリーンランドは、年間を通して雪に覆われている。しかし、6〜8月は気温が上がり氷河や雪が解けるため、一般的に氷の総量は減る。

2019年は雪解けが早く始まり、氷の融解の頻度も高くなっている。6月13日には、この時期には珍しく2ギガトン(20億トン)の氷が解けた。例年では年間最大の融解が起きるのは7月に入ってからで、しかもこれほど大規模ではない。

背景にはグリーンランド周辺の大西洋の空気が温かくなり、晴天が増えたことがあげられる。アメリカ南東部に熱波をもたらした高気圧がグリーンランドに到達し、例年より気温が上昇し、融解が急速に進んでいるのだ。

氷の融解が起きると悪循環に陥る。地表の白い雪や氷が溶ければ、太陽光が反射しにくくなり、吸収される熱の量が増えることでさらに融解が進むのだ。

実は2012年にも同じように大規模な氷の融解が起きていた。この年もグリーンランドでは夏の間、高気圧が居座り続けていた。その結果、記録的な氷の融解が起き、一時はグリーンランドの氷床の97%で融解が起きていたほどだった。

2019年も氷が例年より速いペースで解け始めたことと、気象パターンが2012年と似ていることから、科学者らは再び記録破りの年になると見ている。

グリーンランド氷床と海氷の状態を監視しているデンマークの研究機関「Polar Portal」が、現在のグリーンランドの氷の状況を図とグラフにした。その図を見ると特に北部、西部、南部の沿岸部で融解が進んでいることが分かる。

Polar Portalのデータで、今年の氷の融解のペースが例年の7月中旬ごろのレベルに達しており、6月中旬にしては極めて異例な状況であることが分かった。これらのデータはグリーンランドで2019年も記録的な氷の融解が起き、海面が上昇することを意味している。

編集=上田裕資

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