3社の提携は期間を定めない独占契約で、ロボットタクシーや自動運転を活用した輸送サービスの実用化を探っていく。共同声明では特定の車種名はあげられなかったが、この取り組みが長期間に渡るもので、商用化を前提としたものであることが述べられた。また、プロジェクトの実施国についても、今後拡大する可能性がある。
ウェイモはフォーブスの取材に対し、フランス・日本・米国に共同委員会を設置すると述べたが、金銭面の条件については回答を避けた。ウェイモCEOのジョン・クラシクは「今回の提携は当社にとって理想的だ。ウェイモの自動運転テクノロジーの導入範囲を日本やフランスなどの諸国に拡大できることは大きな前進だ」と述べた。
ウェイモは昨年からフェニックス郊外で、ロボットタクシーの試験サービスを開始し、自動運転トラックによる輸送サービスの試験も実施中だ。同社はフィアット・クライスラー(FCA)の「パシフィカミニバン」やジャガーのEV車両の「I-PACE」を用い、配車サービスのリフトやレンタカー企業のエイビスと実験を進めると述べていた。
しかし、米国外でのテスト走行を前提とした取り組みは、ルノー・日産グループとの提携が初となる。
ウェイモは現在、試験運用中のロボットタクシーサービスと、他社との業務提携からごくわずかな収益しかあげていない。しかし、投資家は同社の将来的な収益がアルファベットの「その他」部門で、最も期待できる分野とみなしている。
なかでも強気の見通しを示すモルガン・スタンレーは、ウェイモの企業価値を驚愕の1750億ドル(約19兆円)と評価している。
今回の提携のアナウンスは、日産の前会長であるカルロス・ゴーン逮捕の余波で、ルノーと日産の関係悪化が伝えられる中でのことだった。しかし、自動運転テクノロジーの導入は大手自動車メーカーらの最重要課題であり、今回の提携はルノーと日産、三菱の3社にメリットをもたらす。
自動運転分野では競争が高まっており、GM傘下のクルーズはホンダと提携を結んだほか、フォードとフォルクスワーゲンも技術協力を行うことで合意した。