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屋形船、パーティー 浴衣着用の「体験価値」に注目

近年浴衣を着て行くシーンが広がり、トレンドとしては「着てどのように過ごすか」に主眼が移っているという。イベントやSNSなどで得られる体験価値に注目が集まっており、恋人同士の花火大会というだけでなく、職場の同僚同士で浴衣を着て屋形船に乗ったり、ハロウィンのように、仲間うちのパーティーで浴衣を着たりと、「みんなで集まろう」という時に着用するケースも多い。

「浴衣OK」の飲食店や、「浴衣で来場」に特典を設けるイベントも増えた。インスタグラムの流行もあり、「男女ともに『気分を上げたい』『気持ちを変えたい』時のツールとして、浴衣を着て楽しむということに重きが置かれていますね」と柿田さん。

伊勢丹新宿店7階の売場では「Makeover イセタンユカタセレクション2019」と題し、男女ともに最新の浴衣や小物を揃えている。古典柄ベースに現代的なアレンジを加えたテイストが人気で、従来の和柄ではなくバラやクロコダイル柄など、少し遊び心を加えた柄で差をつけられるスタイルを提案している。



モデルの西内まりやさんがデザインしたゆかたのコーディネートは今年のテーマの「変身」を体現した。


西内まりやさんデザインの浴衣=伊勢丹提供

紳士ものは従来の無地や縞ではなく、現代的な柄やタイダイ染めのものなど、これまでの男性物の浴衣のイメージを覆すファッション性の高いラインナップを揃える。


カラフルな紳士物の浴衣

差別化、本物を求める傾向 顧客単価上昇

ボリュームゾーンは浴衣のみで3万8千円程度、男性物で一式揃えて5、6万円程度。女性物は小物も含め一式6、7万円程度という。一式揃えて5千円程度の格安の浴衣が市場に出回る一方で、伊勢丹ではこの数年、伝統的技法を使った浴衣など、より質の高い本物の品が選ばれる傾向にあるといい、顧客の単価が上がってきている。

一方、様々なシーンで浴衣を着用できるようになったこともあり、伊勢丹では気軽に浴衣を着用して欲しいと、浴衣着用の際の敷居を下げる提案をしている。和装用でなくても、男性は襟ぐりの広いTシャツやステテコでOK、女性も和装で揃える必要はなく、ワンピース下に着るペチコートを着用することで代用になるという。

「透けなくて、汗を吸い取れれば下着まで和装にこだわる必要はありません」と菅原さん。「合わせるバッグについても、浴衣用のカゴバッグを必ずしも持つ必要はなく、コーディネートとして合っていれば、持っているバッグとの組み合わせも楽しめます」

伊勢丹新宿店では7月10〜22日、本館6階の催物場で「ISETAN YUKATA 2019 “Makeover”Plus」と題し、シーズン最大の取り揃えで浴衣を展開する。期間中はワークショップやイベントも開催される。

文、写真=林亜季

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