新作の浴衣を身に着けて取材に応じてくれたのは、伊勢丹新宿本店のアシスタントバイヤー柿田晋作さん(トップ写真左)と菅原奈美子さん。
女性用の柄を、紳士用に 変わる男性の浴衣スタイル
柿田さんが着用している浴衣は、黒や紺、グレーの縞地が多い紳士では珍しく、白地にブラックとレッドが映えるほおずき柄。女性向けに作られている浴衣の柄を、顧客の趣向に合わせて紳士用に仕立てた伊勢丹新宿店限定のものだ。
若年層は落ち着いた色柄の浴衣を選ぶ一方で、近年特に40、50代の男性がよりファッショナブルな浴衣を好む傾向にあるという。
伊勢丹新宿店7階の売場。紳士物の浴衣も数多く揃える。
「色は白やピンクなど、これまでにあまり男性用としては選ばれなかった色を取り入れたものや、デザインでもこれまで一般的な縞ではなく花柄のものなどが結構人気があります。仲間うちの会話のネタになるような特徴的な柄が選ばれることも多いですね」
菅原さん着用の浴衣はブルーを基調としたタイル柄で、通常は反対色の帯を合わせることが多いが、あえて同系色の帯でまとめた大人の着こなしだ。
「春夏シーズンの着物っぽく、2枚目として選ぶのに向いている柄かもしれませんね。襦袢を着て半襟を入れて、帯留めをつけたり足袋を履いたりすれば、着物風にクラスアップした着こなしができます。ホテルのランチなど、日中のお出かけにも適していますね」と柿田さん。
洗濯機で洗えてすぐ乾く、シワにならない新素材
驚くべきは、いずれも生地がスポーツウェアで使われている、ポリエステルの「セオα」という素材ということだ。ここ数年、業界で浸透中というこの素材は吸湿性・速乾性が高く、綿よりも涼しい着心地。シワにならず、自宅の洗濯機で洗えて、すぐ乾くという機能性の高さが注目されている。
そんな機能性を活かし、スーツケースに入れて海外旅行やクルーズに持参して着用するといった楽しみ方も広がっているそうだ。
ポリエステルの「セオα」を使った浴衣を多く取り揃える。