また会社の同僚や友人同士で来場し、互いの”推し本”を語り合っている姿もあり、「コミュニケーションツールとして本が機能していることが印象に残った」(「BOOK LAB TOKYO」を運営するインフォバーンの押切加奈子)という。
大の読書好きな主催者の2人が、若手ビジネスパーソンの読者に1冊ずつ”推し本”を薦めてくれた。大宮は「読書習慣のない人でも引き込まれるように楽しみながら読みやすい」との理由で『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(ふろむだ著、ダイヤモンド社)。大賀は「さまざまなビジネス書のベースになっていて、現代語訳も出版され読みやすい」との理由で『論語と算盤 モラルと起業家精神』(渋沢栄一著、日本能率協会マネジメントセンター)を薦める。
ベンチャー経営者が選ぶ“推し本”ベスト3
最後に気になるベンチャー経営者が選ぶ”推し本”ベスト3は以下だ。
3位:
『イシューからはじめよ──知的生産の「シンプルな本質」』(安宅和人著、英知出版)
選書者:Gunosy大曽根氏、ジラフ麻生氏、ビザスク端羽氏
『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ著、NHK出版)
選書者:お金のデザイン中村氏、カンム八巻氏、ミラティブ岩城氏
『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔著、ダイヤモンド社)
選書者:オンリーストーリー平野氏、BitStar渡邉氏、スタークス上ノ山氏
2位
『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(ふろむだ著、ダイヤモンド社)
選書者:インサイトフォース山口氏、UZUZ岡本氏、スペースマーケット重松氏、ラブグラフ駒下氏
1位
『渋谷ではたらく社長の告白』(藤田晋著、幻冬舎)
選書者:HERPの庄田氏、TORIHADAの大社氏、オンリーストーリー平野氏、キュア・アップ佐竹氏、ペライチ橋田氏
『人を動かす』(D・カーネギー著、創元社)
選書者:トークノート和田氏、On’yomi大宮氏、xenodata lab.関氏、ふたつぶ福田氏、ホワイトプラス井下氏
なかでも『渋谷ではたらく社長の告白』は2005年に出版されたが今回のイベントでも購入者が多かったという。「ビッドバレー初期については、さまざまな伝説や噂を人から聞くことが多い。それが当事者である藤田晋さんの言葉として語られているので人気があるのかなと思います」と大賀は分析する。
今後については未定ながらも「次回は、別の切り口で選書してもらい、会場も書店全体を”推し本カフェ”として開催したい」(大宮)、「SNSなどウェブ連動を強化し、選書者が書店員としてお客さんに本を薦めるのも面白い」(大賀)と構想は膨らむ。何を読めば良いのかわからない、読書習慣を身につけたいという方はぜひ次回開催時には足を運んでもらいたい。