ロボットが作るピザ宅配の米ズーム、新素材でプラごみ削減へ

ズーム社 パッケージ

オンラインで注文を受けるフードデリバリー業界の成長に伴い、プラスチック製品の廃棄量が増加している。一方で、プラスチック製の代替となる安価で使いやすい包装材を見つけ出すのは、これまで容易なことではなかった。

オンライン・フードデリバリー市場は、2017年には343億1000万ドル(約3兆6900億円)規模に成長。2030年には909億5000万ドル規模に拡大すると予想されている。使い捨てのプラスチック製包装材は、この市場を構成する大きな要素だ。

リサイクルを促進する努力は続けられているが、それでも使用済みのプラスチックの大半はいまだに、埋め立処理されるか、あるいは海に流れ込んでいる。米国の環境保護団体、天然資源保護協議会によると、海への流出が確認されているプラスチックの量は、およそ26万9000トンに上る。

カリフォルニア州でロボットを活用した宅配ピザ店を運営するズーム(Zume)は、特にこの問題に注目している。同社はサトウキビの繊維を使った堆肥化可能な生分解性の素材で作るピザ梱包用の「ピザ・ポッド」を開発。米化学大手デュポンから「デュポン パッケージング賞」を受賞している。


「デュポン パッケージング賞」を受賞したズーム社の「ピザ・ポッド」

ズームのアレックス・ガーデン最高経営責任者(CEO)は、「資源がより限られたものになり、気候の崩壊が進み、そしてフードデリバリー業界が成長する中で、われわれは…より持続可能な方法を探し出さなければならない」と語る。

同社は廃棄物と二酸化炭素の排出量を削減すると同時に、フードシステムにおける包装材を新しいものにするためのテクノロジーを他社にも提供している。ハードウェアとソフトウェア、包装材に関するソリューションを通じて、食品会社の成長を支援している。

求められる新素材


ズームは先ごろ、植物由来の素材を使った「ズーム・ソース・パッケージング」を発表した。コスト競争力があり、プラスチック製の代替となる包装材の開発を目的してきた同社はこれに先駆け、米ピボット・パッケージング(Pivot Packaging)を買収。カリフォルニア州南部に面積およそ6500平方メートルの工場を設立する計画も明らかにした。
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編集=木内涼子

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