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そうした数々の壁を乗り越え、今回のTシャツが生まれた。Tシャツのボディには、栄養成分表示をモチーフにしたワッペンが配置されているが、これについて関山は「82.5 : 17.5、この割合は、地球のバランスを表しています」と話す。

どういうことか。関山によると、地球全体のバイオマス重量の約82.5%は植物が占めている。次いで、細菌や原生生物を含む微生物が17%。残りの0.5%は動物が占めており、人間はたった0.01%程度にとどまる。

「いま地球全体で深刻な環境問題を引き起こし、生態系の均衡を崩しているのは、地球全体の質量では1%にもみたない人間です。その事実をある論文で知ったことをきっかけに、“地球の均衡”を意味する「“Planetary Equilibrium Tee”を作りました」

「82.5 : 17.5」という数字は、植物由来のセルロースであるコットンと微生物由来のタンパク質の配合割合を示している。地球のバランスを感じられるように、との想いから。セルロースとタンパク質は地球の生物圏で循環する基幹素材。現在プラスチックゴミの問題をはじめ環境への配慮が重要視されている中で、もう一度足元を見つめ、一次生産者である植物と微生物から資源を生産したいというのが、このTシャツに込めたメッセージだ。



ゴールドウインの渡辺も、それに共鳴する。「“DO MORE WITH LESS”(最小限のエネルギー・資源で、最大の機能を)。これは私たちがものづくりで大切にしている考えです。スパイバーさんとはこの点が共有でき、4年前から一緒に研究開発を行ってきました」

現在山形県鶴岡市に本社・研究開発拠点をかまえるスパイバーは、今月からタイにも研究開発のための工場を設置。2021年からの本格稼働に向けて準備を進めると共に、さらなる拡大を目指す予定だ。延期になっていたムーンパーカも、当時より大きく改善したものを今年8月に発表予定とのこと。

自然環境との関わり方についてテクノロジーを通して考え、実践する両社の取り組みから今後も目が離せない。

文=石原龍太郎

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