テクノロジー

2019.06.25 06:30

ブロックチェーンで電力を「産地直送」するベルリンの起業家


中国と韓国にも進出

電力取引きにブロックチェーンを用いたプロジェクトは他にも存在するが、認知度においてはLitionが遥かに勝っている。同社のユーザーは、隣人宅の屋根に設置されたソーラーパネルから再生可能エネルギー企業が運営するソーラーパークまで、所在地と好みに応じてサプライヤーを選ぶことができる。

「我々は、このような方法でエネルギー業界の民主化を図っている」とLohwasserは話す。「エネルギー業界にとって、グリーンエネルギーに100%転換することは大きなチャレンジだ。風力や太陽光は大いに宣伝されているものの、普及は遅々として進んでいない」とLohwasserは指摘する。

現在、Litionの従業員数は20名だ。売上高は300万ドルで、来年には700万ドルに達する見込みだという。同社は、これまでに500万ドルの資金を外部の投資家から調達している。

Litionのユーザーは、160都市以上に分布しており、同社は2022年末までに23万5000人を獲得することを目標にしている。また、EVの充電ステーションとの連結や、スマートメーターとの統合といったアプリケーションの拡張も目指している。同社は海外展開も加速しており、最近では中国と韓国に事務所を開設した。

「我々は、世の中をより良くする新しい方法があると信じている。テクノロジーを用いることでサプライチェーンを格段に短縮化し、コストをより安くすることに貢献していきたい」とLohwasserは語った。

編集=上田裕資

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