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「グローバル思考」の伸ばし方

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このところの中国企業の躍進には、めざましいものがあります。2019年5月末時点で、世界時価総額ランキングのトップ10にはテンセントとアリババの2社がランクイン。2018年のフォーチュン500の世界売上ランキングでは、日本企業がトップ100社のうち9社なのに対し、中国企業は倍以上の21社となっています。

私の職場でも、GEの家電部門を買収したハイアールをはじめ、シャオミ、万科(バンケ)、吉利汽車(ジーリー)などの中国企業が常に話題にのぼります。

共産圏である中国で民間企業が興ったのはこの30年ほどの間のことで、また創業経営者も多く、彼らの言動が必ずしもすべての点において参考になるとは思ってはいません。しかし、いまの時代とともに成長しているため、欧米企業と比較しても、中国企業の経営手法のほうが新しい市場に適応している面は多々あります。

実際、あと数年でGDP世界最大になるとされる中国市場の経済的な重要性を考え合わせると、中国企業の経営手法から学べることは多い、と指摘する欧米の研究者も多数います。

なかでも、米ペンシルベニア大学ウォートン校のビジネススクールの3人の教授たちが、アリババ、ファーウェイ、ハイアールなどの中国民間トップ企業の経営者72名にインタビューし、中国企業におけるリーダーの7つの特徴を分析した「チャイナ・ウェイ」(英治出版)は、注目に値する書として、話題を集めています。

日本企業は学習力がキーになる

中国企業の経営者の思考・行動パターンを詳しく紹介するこの本の監訳者で、中国ビジネスにも詳しい早稲田大学教授の池上重輔氏に、日本のビジネス・パーソンが、中国のビジネスリーダーに学ぶべき3つのポイントを訊きました。



1. 会社を学習する組織にする

学習することは一般的にどの企業でも求められますが、池上教授によると、欧米のエグゼクティブにおいては決断力などが重要なリーダーシップスキルと評価されており、必ずしも「学習力」は最重要スキルとは考えられていません。一方で、中国のビジネスリーダーたちは、「外部環境は急速に変化するので、新しいことを学び続けなくてはならないと考えている」と言います。

中国企業は、個人で意識的に学ぶ自己管理型学習、仕事の現場で学ぶ経験学習、そしてベテランから受けるコーチングという3つの方法でリーダーシップを学んでおり、とくに自己管理型学習への比重が大きいそうです。

それは、30年と民間ビジネスの歴史が浅いこと、先人がいなかったことなどが背景にあります。また、経験を重ねるにつれて学習曲線が下がり、過剰な自信を持つことで他者の助言に耳を貸さなくなり、慢心から失敗する傾向があることにも起因しているようです。

そこで求められるのが、リーダー自らがイニシアチブを取り、会社を学習する組織にするべく、学習プラットフォームや企業内大学を設置するなど、さまざまな施策を打つこと。さらには、「自分の時間の3分の1を学習やトレーニング等に使っている」など、自ら「学ぶリーダー」であることを表明する姿勢も、社員に良い影響を与えるため、必要とされているようです。

文=秋山ゆかり

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