その投資が利益の増加につながらなかったとしても、個人的な幸福をもたらすものに金を使うことは問題ないし、望ましいことでさえある。もちろん、必要な経費・生活費を全て払い、必要な仕事ができることが前提だが、士気を高めるための支出も優先すべきだ。例えば、インスピレーションを与えてくれるアートを仕事場に飾ったとしても顧客が増えるわけではないが、長時間の仕事が少し快適になるかもしれない。
この考え方は、仕事に関係ない支出にも当てはまる。旅行はビジネスへの直接的な投資ではないが、旅行から戻ったときには集中力や考え方が確実に改善する。また、高級ワインを自分用に購入したり、管理業務のアシスタントを採用したり、経理サービスを利用したりすることは、直接的な売り上げ増加にはつながらないものの、ビジネスの成長・発展のための時間や精神の余裕を増やすことになる。
最後に、セルフケアへの出費がある。これにはジムの会員費や人付き合いなど、あなたをバランスが良く好感がもてる人間にしてくれる活動が含まれる。
3. その時間や資金の投資は、本当に意味があるのか
あなたは経営学修士(MBA)を取得すべきだろうか? あるいは、新たなオフィス設備や高価なウェブ開発ソフトウエアに投資すべきだろうか? これには、はっきりした結論は絶対に出せない。特定の投資をすることで売り上げが増えそうだと思えても、実際そうなるとは限らない。その投資に本当に価値があるのかを、先を見越して考えることが大切だ。
MBAを例にして考えてみよう。取得すれば素晴らしい経歴となることは間違いないが、それには4万ドル(約440万円)以上かかるかもしれない。その価値はあるだろうか? あなたの分野では、MBAを持っている人の方が圧倒的に高収入なのだろうか? MBAを目指すより、スキルを向上させる特定のコースを受講した方がよいかもしれない。
経費や生活費を支払う以外にも、あなたには収入を使って将来に投資する責任がある。金を使う前に、ここに挙げた3つの点を自問すること。そうすれば、投資に対する利益を最大化できるだろう。