挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

「街の電気屋さんになることが、幼い頃の夢でした。とにかく家電製品が大好きで。電気回路の構造を知りたくて、壊れたテレビを分解してみたり、クリスマスツリーの電飾をいじって、ショートさせてみたり」

まるで少年のような笑顔で自身の原点を語ったのは、リックソフト株式会社で代表取締役を務める大貫浩だ。

“解体して構造を見極める”リバースエンジニアリング思考は、大貫の人生におけるひとつの軸となってきた。

同社の主力事業である豪・アトラシアン社製品のライセンスを取得し、SIとしての船出を決めた時もそうだ。まず自身で利用し、エンジニアとして使い心地や品質を充分に確かめた上で、国内初の代理店として名乗りをあげた。

契約締結後は“どこよりも誰よりも製品を知り尽くす”ことに絶えず力を注ぎ続けた。顧客に対して、「的確なベストプラクティス」の提供を通じて築き上げた、顧客との揺るぎない信頼関係はその賜物だと言えよう。

「製品の良さを広め、業績を伸ばしていくこと自体、あまり苦労がなかった」と言い切る大貫。その成長過程の裏での唯一の気がかりは、 企業としての基盤づくりが後手に回っていたことだった。

東証マザーズ上場を目指したのは、決して華やかな理由からではない。今一度会社を解体し、足りないものを補いたいというのが最たる所以だった。

惚れ込んだ製品でなければ、僕たちは扱わない

リックソフトがライセンスを所有し、日本国内に提供しているアトラシアン社は、プロジェクト管理ツールや課題管理システムなどのいくつもの開発支援ツールを世に送り出している。全世界では13万以上の企業が利用し、欧米ではアジャイル型開発の「スタンダード」として定着している。

「2007年、リックソフト社を起業して2年が過ぎた頃にアトラシアンの製品と出会ったんです。『Apacheソフトウェア財団』によるオープンソースプロジェクトに翻訳ボランティアとして関わり、そこで、はじめて、企業向けWikiシステム『Confluence』の存在を知ったんです。その使いやすさに感激する毎日で。以後2年ほど使い、製品にとことん惚れ込んで、アトラシアン本社に販売パートナーとして申し出ました」



日本初のアトラシアン社販売パートナーとして契約を締結した後は、メインとしていた常駐型SI業から、アトラシアン製品の販売業務へと舵を切った。2009年のことだ。

ホームページを立ち上げると、大手証券会社やメーカーからの問い合わせが相次いだ。各社とも「海外支社経由で評判を聞き、導入してみたものの製品の使い方が分からず、右往左往している」最中だった。最高とも言える、船出のタイミングだった。

その後も、早くからアジャイル型開発が採用されていたITやゲーム業界への導入が続いた。10年経った今では、新しいシステムの導入に極めて慎重とされる製造業や金融業にまですそ野が広がっている。

「業種だけでなく、製品そのものの使い方も多様化しています。例えば、あるIT企業では、wikiシステムである『Confluence(コンフルエンス)』にあえて、作業上の失敗情報を書き込み、誰でも検索できるようにしていると聞きます。そうすることで、成功事例しか上がってこないような大きな組織体でも、各々が事前に失敗を把握し、回避することができると考えたのでしょうね」

業績に貢献してきたのは、こうした製品の優位性や汎用性だけではない。強力なサポート体制はもとより、「無理な売り込みはしない」「長所だけでなく短所も伝える」営業方針が功を奏している。

「正直な言動で信頼を獲得する」――リックソフト社がアトラシアン製品のアジア売上ナンバーワンパートナーであり続ける理由がここにある。

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