ブロードコム創業者が「100億円」をUCLAに寄付する理由

ブロードコム創業者のヘンリー・サミュエリと妻のスーザン Photo by David Crotty/Patrick McMullan via Getty Images

ブロードコム創業者のヘンリー・サミュエリが妻のスーザンと連名で、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)サミュエリ工学部に、10年で1億ドル(約108億円)を寄付すると6月4日に発表した。サミュエリ工学部への寄付としては過去最高額という。
 
フォーブスの試算ではサミュエリの資産総額は42億ドル(約4550億円)だ。
 
寄付は夫婦が所有するサミュエリ財団を通じて行われ、工学部の拡大に使われるという。夫婦はUCLAにこれまで8800万ドル(約95億円)を寄付してきた。工学部には2000年に3000万ドルを寄付した際にサミュエリの名前が付けられ、寄付金は設備の改善や大学院生と教員の研究に役立てられた。
 
今回の寄付金は2028年までに100人の教員と、7000人の学部生および大学院生を受け入れるために用いられる。
 
サミュエリはブロードコムを創業する前にUCLAで1975年に学士号を、1976年に修士号を、そして1980年に博士号を取得した。1985年から1995年には電気工学の教授として教鞭をとっていた。
 
「エンジニアリング人材の需要は伸び続けているため、UCLAが学生と教員を増やし、校内における研究と起業を拡大することに力を入れるのは素晴らしいことだ」とサミュエリは声明で述べた。
 
「UCLAの後押しを受けてサミュエリ工学部は世界有数の工学部であり続け、社会が直面する大きな課題への寄与を拡大し続けるだろう」
 
サミュエリは1991年、ヘンリー・ニコラスと共にサンノゼでブロードコムを創業した。同社は今では世界最大のセミコンダクター及びインフラソフト企業となった。同社は2016年にアバゴ・テクノロジーによって370億ドル(約4兆円)で買収され、サミュエリは2018年12月まで同社のCTOに就いていたが、今は会長となっている。
 
1億8800万ドルという寄付金額は巨額だが、サミュエリ夫妻としては最大の寄付ではない。2017年9月にはカリフォルニア大学アーバイン校に2億ドルを寄付すると表明していた。今回の寄付を含めると夫妻がカリフォルニア大学に寄付する金額は総額で4億7800万ドルにも上る。

編集=上田裕資

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