ダイソン創業者が母校に26億円寄付 「英国の未来」創出へ

Photo by Jason Kempin/Getty Images

英国のビリオネアで電機メーカー「ダイソン」創業者のジェームズ・ダイソンが、彼の母校に2400万ドル(約26億円)に及ぶ寄付を行った。
 
現在72歳のダイソンは彼が1956年から1965年にかけて通ったグレシャム・スクールに、「ダイソンビルディング」と呼ばれる機関を設置し、ロボティクスやプログラミング、AI(人工知能)やマシンラーニングなどの教育を行う。
 
ダイソンビルディングは2021年9月の完成を目指す。家庭用掃除機の「ダイソンン」を生み出したことで有名な彼は、声明で「エンジニアリングやサイエンスは、人間の暮らしや経済に重要な役割を果たす」と述べた。
 
ダイソンは英国の未来の発展には、優れた若い才能を可能な限り早い段階から育てることが重要だと述べた。「とりわけ6歳頃の子供は創造性に富み、好奇心が旺盛で、学習に対する意欲が非常に高い」と彼は話した。
 
グレシャムの校長のDouglas Robbは「本校は最新のテクノロジーに対応する設備を備えており、ロボティクスやプログラミング、AIやマシンラーニングなどの最先端の教育が行える」と述べた。
 
ダイソンは次のように述べた。「私の両親は共にグレシャムで教師を務めた。父はビルマでの戦争に従軍した後、英国に戻り教職に身を捧げた。病を患いながらも教師の職を続け、私が9歳の時に世を去った。グレシャムの寛容さのおかげで、私は父を亡くした後も学業を続けることができた」
 
ダイソンが現在、会長を務めるダイソン社は、2018年に58億ドルの売上を生み出した。彼が起業を思い立ったのは、家庭で使う掃除機の性能に物足りなさを感じたことがきっかけだった。ダイソンは初期のサイクロン型掃除機のプロトタイプを1978年に発想していたとされる。
 
ダイソン社は現在、世界で5800人以上のエンジニアを抱え、同社によると毎週1000万ドルの資金を製品開発に注いでいる。ダイソンは2021年にEV自動車の発売を計画しており、テスラやその他の自動車メーカーを競合に見据えている。

編集=上田裕資

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