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経済キャスター/Forbes JAPAN編集部コントリビューティングエディター


──では、その中で、ANRIへの移籍を決めた理由は何でしょうか。

河野:自分が思い描いていた方向性と、新しい4号ファンドに対するアンリさんのビジョンが合致したということです。

起業家は途方も無いビジョンを持ち、社会課題を解決するべく挑戦をしている。そんな起業家に対して恥じないような挑戦をしている自分でいたいと思い、もっともチャレンジングな挑戦をしているVCに身を投じたいと思った。それがANRIだったんです。

──特にどんな点に惹かれたのでしょうか。

河野:アンリさんは逆算思考だったんです。リニアに規模を拡大するのではなく、理想の状態から必要な規模を逆算する考え方です。シードからレイターまで起業家の信じた道を支え続け、そしてディープテック領域の企業を長く支えるにはこれくらいの規模が必要だという、理想形から必要な規模を逆算をしているところに魅力を感じました。

たしかに、ファンドの規模を大きくすることだけが正解でありませんが、米国では未上場企業におけるファイナンス環境が整ってきていてIPOまで長期化する状況があり、起業家の視座も上がり、事業の難易度も上がっています。そんな中で、日本でも絶対的なリスクマネーの供給がもっと必要だと痛いほど感じてきたのでそれを供給し続けたいのです。

また、ファイナンスすればするほど、それに追いつけない投資家は持ち分比率がダイリューションします。一番最初にリスクをとって投資したとしても、その後、ラウンドを継続すると持ち分比率が減って、初期に取ったリスクに対してリターンが見合わないという現象が起きます。

投資先をずっと応援し続けたいという想いの部分と、ずっと継続して出資し続けた方が経済的なリターンが最大化されるという、この両軸において「規模の追求」の必要性を感じています。SlackやAirbnbの資本政策を読み解いてみても、やはりリードインベスターがかなりの確度で継続してラウンドをフォローしています。



── 一方で、佐俣さんは、どんな経緯で河野さんを迎えられたのでしょうか。

佐俣:去年の暮れ頃、自分たちのファンドが何を目指すのかを今一度熟考した時に、「トップファームを目指す」のだと決めました。

我々は今75億円規模のファンドですが、その延長として100億円ほどの規模のファンドを安定的に回していくという構想であれば、今までの体制のままでも可能だと思いました。しかし、我々は途方もなく難しいことに挑戦したい。この構想ならば、トップキャピタリストである河野さんをお誘いするのに足ると感じ、「新しい4号ファンドを一緒に作っていきましょう」とお声がけしました。

文=瀧口友里奈 写真=Rang

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