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新・パリのビストロ手帖


「日本を旅行して桜を見てから、パリに着いたところらしいよ」と店主に紹介され、カナダとハワイで暮らすご夫婦に出会ったことがあった。彼らは、毎年1〜2度パリを訪れ、すぐ近くのホテルに滞在しながら、必ずル・プティ・ヴァンドームで数回食事をするらしい。



それは確か金曜日だったのだが、ご夫婦と話が盛り上がるうちに、「帰る前にもう一度、リ・ド・ヴォーを食べに来るんだよ」とご主人が言った。「リ・ド・ヴォー? ここで食べたことないです。メニューにも見たことない」と私が応えると、「これから仕入れてもらうんだ。最高だよ。来週の水曜に頼んでるけど、君も来るか?」と誘ってくれた。

「うわぁ、ご一緒したいけれど、来週の水曜の便で日本に帰国するんです」と伝えると、「じゃあ火曜は?」と即座に訊かれた。そして、店のスタッフに火曜に変更できるかと確認をとり「できるなら3人分で!」 とお願いした。

果たして、4日後、カウンターに私はそのご夫婦と並んで座って、食事をともにした。カウンターを挟んで、店主もとても嬉しそうにしていた。

文・写真=川村明子

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