台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

Photo by Sümeyye Dalklnç / Anadolu Agency / Getty images

台湾のスマホメーカー「HTC」は、2011年をピークに市場シェアを落とし続けており、調査会社IDCのデータによると、昨年はわずか1%だった。同社は2017年には赤字に陥ったが、昨年はグーグルにスマホ事業の一部を売却して黒字を確保した。業績回復を目指す同社は、5G通信向けのスマートハブをリリースした。

HTCがリリースした「5G Hub」は、複数のユーザーが高速で動画をストリーミングしたり、ゲームをプレイすることを可能にするデバイスだ。価格は600ドルで、米国では先月から携帯電話会社のスプリントが販売を開始した。オーストラリアでは、通信会社テルストラが発売を開始している。

「HTCは5G通信向けハブデバイスで世界をリードしている」と調査会社Strategy Analyticsの英国支社でエグゼクティブ・ディレクターを務めるNeil Mawstonは話す。Mawstonは、このデバイスの販売台数が世界で数十万台に達し、今年の売上高へのインパクトは5000万〜1億ドル程度になると予想する。

5G Hubは、3Gや4G通信向けモバイルWi-Fiルーターの「MiFi」に似ているが、5Gの方がはるかに高速だ。ただし、5Gが導入されている地域は限定的だ。

5G Hubを自宅でセットアップすると、10人以上のプレーヤーを同時接続し、VRゲームなどをプレイしたり、アプリを利用することができる。これは、従来のハブデバイスではできなかったことだ。理論上は、5G Hubの信号の方が通信会社の提供するものよりも安定しているという。

IDCのリサーチ・マネージャーであるJason Leighによると、HTCは5G Hubを、「自宅やオフィス向けのWi-Fiルーターのようなコネクティビティー・ノードで、MiFiのように持ち運んで5G通信を可能にするデバイス」と位置付けているという。

ゲーマーやVRファンからの支持

5G Hubは、高解像度のゲームを楽しみたいゲーマーに支持されそうだ。台北に本拠を置くMarket Intelligence & Consulting InstituteのTzeng Chiau-lingによると、HTCは5G Hubのリリースにより、「Vive」ブランドで展開するVRヘッドセットの販売量が増えることを期待しているという。ゲーム業界は急成長を続けており、調査会社NewZooは、今年中に市場規模が1481億ドルに達すると予測している。

「5G Hubのセールスポイントは、自宅でVRヘッドセットを使ってゲームをする際に安定した高速通信を可能にすることに加え、データのダウンロードやアップロードが格段に速く、カバレッジも広いことだ。HTCは、5G HubによってVRアプリケーションをより進化させることが可能になる」とTzengは話す。

編集=上田裕資

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