創業1年目から新卒採用を実施したワケ
──創業時に、採用で工夫された点をお教えください。
私は創業時に新卒採用から始めています。どこのスタートアップも創業時はプロフェッショナルな中途採用からスタートするものですが、私の場合は新卒採用からスタートした方が良い人材を採用できる確率が高いと思ったんです。
人を口説く時には熱量と実績と未来に対する戦略が必要です。ただ、新卒の方の場合は実績もそうですが、熱量がベースになることが多い。面白さとか、パッションとか、情熱とか、そういったもので会社を推し量っていて、創業時の実績がない中では、そこでなら勝負できると考えました。
──自分の戦えるフィールドはどこかを考え抜いて選んだのですね。ただ、新卒の場合、即戦力としては難しいかと思います。そこに苦労はなかったのでしょうか?
そこはもう、育てるしかないと腹をくくっています。つきっきりで1から10まで育てていくしかない。
私は、起業家には2タイプあると思っています。
タイプ1は、起業当時からクリエイティブで確かな経歴や実績を持った人。楽天の三木谷さん、ソフトバンクの孫さん、外銀出身とかITメガベンチャー出身の方達です。そういう人たちには会社として実績が無い段階でも今までのキャリアに信用があるので、採用面で人が集まりやすい。
タイプ2は、みなさん今でこそすごい方ですが、創業時キャリアがあったわけではない、日本電産の永守さんや、京セラの稲盛さんなどです。みなさん、採用面の共通項は、実績が無い人でも厳しく育てあげるという方針だったこと。いい人が採れるようになるまでは徹底的に育てあげています。
起業時から自分は、完全にタイプ2の方だとわかっていたので、そうなると、実績がでて優秀な人材が採用できるまで、とにかく人材を育てるしかないと覚悟を決めていました。
創業時はとくかくマネージメントは厳しかったと思いますね(笑)
自分でもいうのもあれですが、愛はあったと思ってもらえていると思います。なぜなら本気で、全員育てるんだって思ってましたからね。当然、それだけでは駄目なので、会社の成長後は優秀な中途の人達の採用も強化しています。
こういった戦略があったからこそ、成長のフェーズに合わせた採用戦略を進めることができたんです。