熱意を持って打席に立ち続ける
──樋口さんは起業家の3つの素養として、「ミッション・ビジョン」「仲間を集めること」「決断をすること」を挙げられていましたね(第2話リンク)。2つめの「仲間を集めること」について具体的にお教えください。
「仲間はいることが当たり前」のように教科書には載っていますけれど、本当は仲間集めこそ難しいし、大事なことですよね。
例えば、サッカーは1人ではできません。フォワードが得点をして、ディフェンダーがきっちり守って、キーパーが押さえて、コーチが選手に寄り添って、監督が戦略を考えて、ホペイロがスパイクを磨くという役割分担があり、みんなでチームとなっていく。全部のポジションでベストプラクティスにしていかないと、チームは強くなれない。
これは会社も同じ。いかに各ポジションで優秀な人達に働いてもらうことができるか。そして、その優秀な人達と1つの目標、ビジョンに向かって切磋琢磨していくことができるか。これに尽きるんです。
──その仲間集めを成功させるために重要なことは何でしょうか?
仲間集めに大切なことは、「言い続けること」でしょうね。セールスの交渉と同じだと思います。
交渉が上手くいかない人は、お客様に「やりましょう」と言えません。「断られてしまうんじゃないか」「嫌われてしまうんじゃないか」と勝手にモヤモヤ考えて、言ってみないとわからないことを言えない。
私がどうしてトップセールスになれたかというと、単純に「やりましょう」と口に出していたからです。これは擦りこみですね。あとは確率論、つまり何回交渉するかの問題なんですよね。
仲間集めも「擦りこみ」と「確率論」です。熱意を持って言い続けること、そして、場数を踏む、打席に立ち続けることが重要だと思います。