ビジネス

2019.06.18 08:00

大きな理念を掲げながら、同時に結果も出す。それが起業家にとって大切|GA technologies 樋口龍




負けず嫌いこそが世界と戦う原動力


──樋口さんはプロのサッカー選手を目指していた時も「世界的トッププレイヤーになる」とおっしゃっていたそうですね。

根底にあるのは「負けず嫌い」の精神です。サッカーを小学1年生ではじめたときから、「負けたくない」と思い、練習にのめり込んでいきました。「チームメイトに負けたくない」「東京の選手に負けたくない」「日本の選手に負けたくない」そして、「世界でも負けたくない」と。負けず嫌いから大きなビジョンができていきました。

子どもの頃は、失敗体験がないので、できる・できないでは考えませんよね。自分は世界的なプレイヤーになるものだと思っていました。

1%ぐらいの人達が、大人になっても子どもの感覚のままで、周りから馬鹿にされる逆境にこそ燃えて、ビジョンを掲げて果敢に挑戦していくわけです。そして、単なる馬鹿で終わらせないために、結果を出し続けようと努力する。

私の場合は、起業家として学歴も職歴もいいわけではなかったので、周りの信頼を勝ち取るには事業で実績を出していくしかありませんでした。だから、創業して4年間は社長として広報的な活動をしませんでした。事業を伸ばすこと以外一切無駄なことはしなかったです。

深夜まで働きまくっていたので、周りの経営者と飲みにいくことも一切なかったですね。

実績がない状態で対等にコミュニケーションを取ってもらえるはずがないとわかっていたからです。会社の売上が100億円ぐらいになったら外に出ようと決めていました。

大きなビジョンを掲げることで起こる周りの批判の目を逆に原動力として努力し、実績を出し続ける。小さいころから変わらず私はそうやって物事にチャレンジしてきましたね。

──ストイックさがひしひしと伝わってきました。普段の生活でもストイックなのでしょうか?(笑)

はい、めちゃくちゃストイックです(笑)。

サッカーをしていたときは、信じられないほどの生活をしていましたね。コーラは飲まない。マックは食べないとか(笑)小学2年生から毎朝6時にマラソンしていたんですよ。4年間サッカーの為にずっと続けていたら、いつの間にかかなり体力がついて、中学1年生のときに東京都品川区の大会の1500m走で1位になりました。優勝した後、陸上部でもないのに、陸上の都大会に出るように頼まれて、実際に出場したら東京都で3位になったんです。ストイック以外の何物でもないですよね(笑)。高校時代も、ずっと練習をしまくっているタイプでした。

起業家は、誰かに何かをいわれるわけではないのでいくらでもサボれるんです。気をつけないと知らず知らずのうちに視座が下がっていく。自分をいじめて、身体を使って、脳細胞を活性化させています。

私は、どんな天才でもサボるものだと思っています。サボるとわかっているなら、サボる状況にならないために何をすればいいかを考えることが大事。だから、スケジュールの管理によって、サボれない生活を生み出しています。

文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ 撮影=ナカサアンドパートナーズ

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