La redazione di Forbes.


──実際のところイタリアでは、「だれが手がけるか」ということが、ビジネスにおける成長の要素としてどの程度十分に認識されているのでしょう。

長い間海外で仕事をしてきたので、この経験がイタリアの「二元性」を理解するのに役立っています。要は、長期的な視野をもった創業者に率いられている、クリエイティブかつ革新的な組織で働くほうが、大方のことが定型化され、組織化された大企業で働くこと人よりも、はるかに成長のチャンスがあるということです。

前者の組織で働く場合は、学ぼうとする意志、率先して動く意欲、そして時には意外な手段で迅速な解決策を見つける力を発揮しなければなりません。

一方後者には、一種の「隠蔽体質」のようなものが働くことがありますね。つまり、多くの人が自分のポジションの居心地のよさに慣れ、特権を大事に思うあまりに、何かが起きた時、代わりに責任をとってくれるスケープゴートを探してしまう。ある種の被害妄想ですよね。リスクを負って賭けに出ようとする代わりに、「コンフォートゾーン」に安住する。結果、後者では、率先して何かしようとする人が批判されることがよくあります。


写真提供:Angela Lo Priore、Forbes Italia

──職場における男女平等は、一般的にどの程度実現されていると思いますか。また、学歴や資格が同等である場合にも起きる、職務、報酬、権利などの男女格差を埋めるには何が足りないのでしょう。

イタリアでは出産休暇(産休・育休)の概念が定義し直されない限り、女性のキャリアにおけるポテンシャルの向上はむずかしいでしょうね。夫の十分なサポートを得られないまま子供の成長と教育を背負うことで、職場ではたいてい、厳しい状況が強いられます。

そしてイタリアでは、若くして役職のある女性も、法律上認められている権利を利用して、できるだけ長く子供のために時間を割こうとする傾向があります。逆に、北ヨーロッパでよくあるように、女性が出産休暇を短く切り上げて復職したりすると、イタリアでは母業よりキャリアを優先したと批判されてしまうんですね。これはわが国の特徴ですよね。

マネージャーが作るべき「エコシステム」

──著書では社会的マナーについて、独立した章が割かれています。これはいわゆる「エリートとして備えておくべき」礼儀作法ということでしょうか。

私は個人として、また職業人として、いじめや「#MeToo」、言葉の攻撃性、家庭内暴力のようなテーマに敏感です。ソーシャルネットワークによる新しいコミュニケーションが、他者への態度、物の言い方を多様化させています。数十年前、イタリアでは女性へ好意を示すのに口笛を吹いていた時代がありました。現在では、それにさらに下品な言葉が加わります。つまり、共有されていた社会的ルールとしてのマナーが失われてしまったんです。

目上の人への敬意が欠けた言葉遣いなどを見るにつけても、社会的マナーの後退を感じます。また、マネージャー職の人の多くが、社外と交渉する際の、部下たちの基本的な態度に問題があるといって嘆いています。若い社員がクライアントやベンダーの人たちと礼儀の欠けた交渉をして、相手を不快にさせたり会社に被害を被らせたりしてしまう状況があるんです。

翻訳=大村紘代 編集=石井節子 写真=Forbes Italia提供

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