実は体に悪い人気ダイエット法5選

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ダイエットでありがちな不満に、結果が努力に全く見合わないことがある。多くの場合、その理由は今のダイエット法が体にとても悪いことにある。

ニューヨーク市にあるマウントサイナイ病院の登録栄養士(RD)ブリタニー・リンは、間違ったダイエット法がもたらす多くの身体的・精神的な影響を見てきた。第一のルールは、魔法のダイエット法や手っ取り早い減量法は忘れること。こうしたダイエットは、体に良いことよりも悪いことの方が多い恐れがある。

ここでは、こうした悪いダイエット法を5つ紹介する。下にいくにつれて悪質度は上がる。

・酸/アルカリ

このダイエット法では、理想的なpH値を維持することが大事とされている。体が「酸性」の状態になり代謝性・呼吸性アシドーシス(酸血症)が引き起こされるのを防ぐため、肉や砂糖、加工食品を摂取せず、果物や野菜、豆腐、ナッツ類、種子類、豆などのアルカリ系の食べ物を多く取るものだ。減量に加え、関節炎やがんのリスク低下などの効果がある。

良いダイエットに聞こえるだろうが、実はそうとも言えない。こうした効能は主に植物由来の食品を中心とした食事によるものとされる一方で、「少なくとも、このダイエットを支持する研究結果は不足している」という。一つ確かなのは、1つの食品群(炭水化物)を一切摂取しないというのは、間違った行為だということ。

その代わり、微量栄養素と多量栄養素のどちらも不足しない健康でバランスの取れた食生活を送ろう。リンは「特定の食品が体のpH水準に影響を与えると決定的に証明した研究はないが、バランスの取れた食事によって慢性病のリスクが下がることは分かっている」と述べている。

・パレオ

このダイエット法では、人間が狩猟採集生活をしていた260万年前と同じ食生活を奨励している。動物の肉や根菜、果物、ナッツ類、種子類を取り入れ、砂糖や高果糖のコーンシロップ、穀物、豆、乳製品、一部の油、トランス脂肪、人工甘味料や加工食品を摂取しないものだ。

パレオダイエットには健康的な要素もあるが、リンは推奨していない。人類はこれまで住む場所に応じて異なる食生活を送ってきたのに、1つの解決策が万人に効果をもたらすと考えるのは合理的ではないからだ。

また、現代人の生活様式や遺伝子地図、腸内微生物叢(そう)は旧石器時代と大きく異なる。さらにパレオダイエットは酸/アルカリダイエットよりはるかに制約が多く、疲労や便秘、胃腸の不調をもたらす可能性が高い。それに、このダイエットに関する研究結果は「欠陥があり、実際の歴史に基づいていない」という。

その代わり、どんな食品群も排除してはいけない。これには、豆や全粒穀物も含まれる(ただし、セリアック病や、特定の食品への過敏症がある場合は例外)。バランスの取れた食生活と定期的な運動をすれば、同様の健康効果がもたらされる。
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編集=遠藤宗生

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